2007年09月12日

『“文学少女”と慟哭の巡礼者(パルミエーレ)』

野村美月 先生と 竹岡美穂 先生による 「文学少女」 シリーズもいよいよ

大詰め、5冊目の刊行を迎えました。

http://www.enterbrain.co.jp/fb/08shinkan/08shinkan.html


ついに “心葉” の前へと姿を現した “美羽”。“美羽” の本性を知る

読者の立場からすると “心葉” の選んだ選択肢の一つ一つが何とも

もどかしくて仕方が無い、という場面の連続。

そして “心葉” を巡って “琴吹” と “美羽” が織りなす浅ましくも醜い、

ドロドロとした三角関係。『季節を抱きしめて』を思い出しましたよ・・・・って

例えが古いな。(w

こっちは記憶喪失じゃなくてすべて計算ずくなので、本当に「恐ろしい子」

なんですけど。ただ、どんなに素直でも、どんなにひねくれていても

根底にあるのは「“心葉” が好き」という想い、ただそれだけ。

今まで明示されていなかった登場人物の関係も明らかにしつつ、

“井上ミウ” が誕生したきっかけやそれが生み出した結果と過程を

文学に乗せて描き出した、高次元のヒューマン・ドラマと言えるでしょう。


番外編を挟んで本編はあと1巻でラストを迎える、ということで何とも

名残惜しいところではありますが、ラストで明かされるという “文学少女”

の謎に期待しつつ、刊行を待ちたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 18:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル