最近の風潮として、メディアミックス展開の端を発するのがライトノベル
というのが割と珍しくない、というよりはその傾向が年々強く
なってきていると感じられる方も多いでしょう。
そんな市場に対し、とうとう 「小学館」 という出版最大手が目を付けて
立ち上げたのが 「ガガガ文庫」。その中の創刊ラインナップの一つが
この 田中ロミオ 先生による 『人類は衰退しました』 となります。
【 http://gagaga-lululu.jp/gagaga/newrelease/index.html#07 】
・・・「ガガガ文庫」って、もうちょっとなんかいい名前なかったんかね。
まぁ、それはそれとして、もうちょっと素人見解を続けさせてください。
いわゆる「ライトノベル」と呼ばれる類は、古くは「角川スニーカー文庫」
や「富士見ファンタジア文庫」、“例の事件”で分派した「電撃文庫」など
いわゆる今の「角川グループホールディングス」一人勝ち市場です。
今まではマンガからアニメ化、というパターンが主流でしたが、
近年、ライトノベルからアニメ化するケースが顕著になってきた
ことを受け、競合他社が新レーベルを立ち上げるようになりました。
・集英社(スーパーダッシュ文庫) 然り、
・ソフトバンククリエイティブ(GA文庫)然り、
・ホビージャパン(HJ文庫) 然り、
・メディアファクトリー(MF文庫J)然り、
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数え上げればまだまだ出てきます。
そんな中、ノロノロとでしゃばってきた小学館の「ガガガ文庫」ですが、
創刊ラインナップを見てみると・・・エロゲ関係者が3人も入ってます。
オリジナルだけでは客寄せできないにしても、ちょっと異常なケースです。
これはエロゲ関係者・・・物書きにしても、絵描きにしても・・・が一般市場にも
注視されてきている、という流れを示しているといっても良いでしょう。
昔よりも「エロ」→「一般」の流れに移りやすくなりましたし、
この傾向は他社でも増えてくるかもしれません。・・・元ネタになるお話が
枯渇してきている昨今としては。
ここで話を戻して。
田中ロミオ 先生の『人類は衰退しました』ですが、これ、世界観の
練りこみ、というか完成度が高いです。良く考えられていると
思います。生命の進化と衰退に着眼しているところも凄いです。
それでいて作品全体に漂うほんわかした雰囲気がそれを感じさせない
ところが良い点でもあり、また悪い点でもあるでしょう。・・・“山”が
なくなってしまいますから。
あの最後からどう続くのか全くもって想像もつきませんが、小学校の
図書館に並べられるようなタイトルを目指して頂けたらと思う次第です。