2018年12月14日

『裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ』

宮澤伊織 先生が贈る女子ふたり怪異探検サバイバル・ストーリー。第3巻は呪いの影響も
なく裏世界での探検を再開する“空魚”と“鳥子”の2人に“冴月”の影がちらつきます。
(イラスト:shirakaba 先生)

http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014069/shurui_3/page1/order/
http://www.ganganonline.com/contents/urasekai/


「ヤマノケハイ」では“小桜”の心配を他所に裏世界の安全ルート構築に乗り出す“空魚”
と“鳥子”の様子が久々に穏やか。“鳥子”の生まれ育ちに布石を感じたり、そんな話を
聞いた“空魚”が干渉してくる“冴月”の件を隠しながら色々と頭を悩ませるのが印象的。

「サンヌキさんとカラテカさん」において“茜理”の友人“夏妃”が巻き込まれた怪異の
対応に乗り出す2人を他所に、さりげなく百合な展開を見せてくれる設定がなかなかの妙。
能力使用に迷いのない“鳥子”に注目しつつ、“ウルミルナ”の予兆で緊張感が増します。

「ささやきボイスは自己責任」、秀逸な章題が指し示すテーマの象徴“潤巳ルナ”の動画
と“冴月”との関係、そして今の彼女と相対する“鳥子”の様子、最悪の事態に直面した
“空魚”がさらけ出す激情。コンビ2人が結論づける顛末は百合ポイント高めで素敵です。

posted by 秋野ソラ at 01:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年12月13日

『精霊幻想記 12.戦場の交響曲』

北山結莉 先生が贈る異世界転生譚。ドラマCD付き特装版が同時発売となる第12巻は助けた
“リオ”と助けられた“クリスティーナ”の葛藤を描きつつ、陰謀が巡らされていきます。
(イラスト/Riv 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/815.html
https://hobbyjapan.co.jp/comic/series/seireigensouki/


“春人”が“リオ”と同一人物である、と類推するきっかけを得た“クリスティーナ”が
あの日、彼を学院から遠ざけた者らと同じだと戒める様子が“ヴァネッサ”共々痛々しい。
“リオ”も含めてお互いに気付いているんじゃないかと胸の内を探り合う様子も心苦しい。

合縁奇縁の組合せで護衛任務につく“リオ”が追ってから逃れるための策も“レイス”の
読みの前では一歩及ばずで。彼に後押しされて“シャルル”が曝け出していく強欲ぶりが
逃亡劇の中で繰り広げられる微笑ましい女性陣らの雰囲気をも覆していくのが小憎らしい。

国境を前にあと一歩、という場面での激闘に“サラ”たちの力も借りて臨む“リオ”でも
防ぎきれない“クリスティーナ”の窮地。勢いに任せて彼の逆鱗に触れた“シャルル”は
お気の毒ですが胸がスッとしました。歴史を震撼させた彼の行方が気になるばかりです。

posted by 秋野ソラ at 00:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年12月12日

『榮国物語 春華とりかえ抄 四』

一石月下 先生が贈る男女逆転中華譚。第4巻は貴族優遇の“白水”が優勢な宰相選の対抗
として選ばれた“海宝”を後押しするため提案された縁談話に彼は大いに頭を悩ませます。
(イラスト:ノクシ 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/321807000694/


貴族たちは“白水”を推す。反発する民衆は“海宝”を担ぎ上げる。しかし彼が勝つには
縁談を受けて宰相家、つまり貴族の力を借りなければならず民衆からの反発は必至。実に
綺麗な板挟みに加えて“春蘭”への想いを捨てきれない彼の懊悩ぶりが妙に微笑ましい。

“海宝”の気持ちも知らず縁談に賛成の意を示す“春蘭”。そんな彼女の罪つくりな所を
教えてあげない“秋明”のいたずらも後押しする形で最大の岐路に立たされる彼を他所に
宰相選挙に向けて抜け目ない追い打ちをかける“白水”の一手がいやらしくて憎たらしい。

まさに手も足も出ない状況を打ち返すあの奇策を立案し実行に移す“春蘭”に悪女の才を
感じずにはいられない一方で、ついに吹っ切れた“海宝”の清々しさたるや実にあっぱれ。
人の縁が魅せる展開を経て、“春蘭”らも気持ちにけじめが求められそうで続きが楽しみ。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年12月11日

『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 7』

手島史詞 先生が贈る、不愛想魔王と箱入りエルフによるラブコメファンタジー。第7巻は
新たな魔術師に命を狙われる“ザガン”が、“フォル”のために無人島へと足を運びます。
(イラスト/COMTA 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/816.html
https://hobbyjapan.co.jp/comic/series/madoai/


「愛で力」カウンターの様相を呈している“ゴメリ”が面目躍如となる場面の目白押し。
“ネフィ”の水着姿が可憐すぎて直視できず、念写魔術の改良に乗り出す“ザガン”の
へっぽこぶりが輪をかけて微笑ましい。カバー絵での浴衣姿フォローがありがたいです。

リゾート気分から一転してサバイバル生活へと突入しても動揺しない“ザガン”に隠れて
“シャスティル”と“バルバロス”の友達以上恋人未満っぽい掛け合いがまたこそばゆい。
“黒花”が“リリス”に心配される様子や、彼女が決意を口にする展開は心温まります。

今回“ザガン”の命を狙う“デカラビア”が魔王を退けた実力を見せつけた・・・かと思えば
その本質を見抜いた余裕ぶりを見せるあたりは“ザガン”らしい。その裏に隠されていた
戦いの火種すらも退けるあたりも。“アザゼル”の謎が更に深まり、続きが気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年12月10日

『俺もおまえもちょろすぎないか3』

保住圭 先生が贈る超濃厚ハイスピードラブコメ。第3巻は“つぶら”との婚約という形で
想いの周知を図る“功成”に対して、妹の“悠伊”からまさかの反対表明が飛び出します。
(イラスト:すいみゃ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/omachoro/321806000207.html


“功成”と“つぶら”、若い2人のお付き合いが未来永劫つづくとは限らないと指摘する
“悠伊”の言い分もごもっともで。その意見をはねのけるべく“つぶら”の母が既成事実
を作るために旅行へ誘ってくれるあたりがいい家族。祖母も実にイイ味だしてて素敵です。

そもそも“悠伊”に苦言を呈した理由、それこそが兄妹共に筋金入りの「ちょろい」家系
であることを示す、まさに本作らしさに溢れていました。“つぶら”との友人関係と抱く
想いとの間で揺れ動く機微はキュンキュンくるものがあって、ツボに入りまくりでした。

“つぶら”が“悠伊”を羨む感情にもなかなかに独占欲の強さが垣間見えて微笑ましい。
“悠伊”が自分の感情に、“功成”が妹からの想いに、それぞれどう折り合いをつけるか。
見事な大団円につながるエピローグと共にぜひ見届けてほしい。見事な締め括りでした。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年12月07日

『ロクでなし魔術講師と禁忌教典13』

羊太郎 先生が贈る超破天荒新世代学園アクションファンタジー。第13巻は“リィエル”を
命の危機から救うため“グレン”がかつての盟友と対峙する運命のいたずらに見舞われます。
(イラスト:三嶋くろね 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321802000314


エーテル乖離症で突如倒れた“リィエル”を救うために必要なセフィラ・マップ。それを
持つ“サイラス”から指示される、女王の暗殺未遂で逃亡中の“アルベルト”討伐命令。
“グレン”に選択の余地なし、な状況に詰ませる流れと進んでいく陰謀の話運びがお見事。

特務分室に呼び戻されてみれば新参者になめられたり、と踏んだり蹴ったりな“グレン”。
そんな新参者たちも“アルベルト”からすれば“グレン”にも劣ると退ける様子は圧倒的。
戦わざるを得ない2人の息の合った読み合い、力と技術の応酬が生み出す戦闘が実に熱い。

“サイラス”や“アルベルト”の思惑をギリギリまで掴ませない緊迫した展開が土壇場で
“グレン”の大逆転劇を演出する形で昇華されていく流れは爽快感があふれます。けれど
裏側で暗躍していた「あの人」のほうが上手だった点が気になりすぎて続きが楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年12月06日

『ラストラウンド・アーサーズ2 聖女アーサーと赤の幼女騎士』

羊太郎 先生が贈るアーサー王継承を巡るバトルストーリー。第2巻は“凛太朗”を師匠と
呼ぶ美少女“エマ”の登場に戸惑う“瑠奈”が、王としての立場を賭けて勝負に臨みます。
(イラスト:はいむらきよたか 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321803001781


今巻も冒頭からいろいろとやらかしてくれる“瑠奈”に対し、健気で頑張り屋“エマ”と
彼女の気持ちを後押しする“ラモラック”の指導もあって“凛太朗”の中での評価が高く
なっていく展開がコミカルで面白い。ここで言う「評価」が後々で効いてくるのも含めて。

“凜太朗”との戦いに何かと固執してくる“ラモラック”の直接的、間接的なアプローチ。
それが“エマ”に秘められた過去、背負わされてきた責任にも及んでくるからえげつない。
自動防御する相手に苦戦する彼も、彼を巡って争う“瑠奈”も分が悪く焦りが浮かびます。

土壇場で選んだ“凜太朗”の選択肢に“瑠奈”も失意する・・・かと思えば、そこにこそ絆の
証が見えてくるという演出の妙と、改めて王の器とは何かを強く印象づける勝敗の行方が
また熱かった。巻末で見せる“ガウェイン”と“フェリシア”のリアクションも見所です。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル