2019年11月14日

『学園最強の異能ハッカー、異世界魔術をも支配する』

真野真央 先生が贈る新作は学園バトルファンタジー。異能力開発アプリでありとあらゆる
情報を改竄する能力を得た少年が異世界の少女と出会い運命を変えていく顛末を描きます。
(イラスト:ファルまろ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/inouhacker/321906000807.html


異能力者を育てる学園で「改竄」の能力を使い裏仕事に勤しむ“悠”。彼が立入禁止区画
で出会った少女は突然「私を殺して」と言う。異世界とを繋げる生贄として送り込まれた、
異世界からの侵攻が始まる、と言及する彼女の説明中に火柱が上がって謎の男が現れ──。

有無を言わさず始まる異能力と魔術のバトル。“悠”が持つ能力が桁違いに凄いと印象を
持たせる良い掴みになっています。“サクリファイス”がもたらす異世界の様々な情報に
一つの可能性を類推し、それを確かめながら読む楽しさもあります。あと“凍火”が健気。

“悠”たちが知る由もない異世界側の状況を踏まえ、“サクリファイス”の生き様にある
変化が生まれてくる様子、そこに一役買う“悠”との異文化交流も見どころです。冒頭の
「約束」が最後でしっかり効いている点も得心のいく展開でどう続くのか期待したいです。

posted by 秋野ソラ at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年11月13日

『チアーズ!5』

赤松中学 先生が贈る汗と涙の青春活劇。第5巻はチア全日本カップを懸け「クイーンズ」
との県大会での勝負に挑む「チアーズ」。彼女たちの全力のチアが思わぬ結果を招きます。
(イラスト:こぶいち 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/cheers/321907000794.html


“千愛”を意識してきた“白亜”。その強い想いは「チアの世界に戻ってきてほしい」と
ただひたすらに乞い願う、対等な人物を求めるが故。決して敵意ではない、ということが
改めて分かる話の流れでした。大会結果は“沙織”先生の嬉し涙が悠然と語ってくれます。

出来れば一緒にチアをしたい。そんな“白亜”の淡い希望は思いがけない形で実現します。
これは読み手としても驚きの展開で、まさに見たままの呉越同舟ぶりに“千愛”と“白亜”
2人が手に手を取れるか難しい局面を“沙織”先生と共に見守るしかないのがもどかしい。

“百愛”を意識し過ぎる葛藤もあり“千愛”が“白亜”を見る目も曇っていたと分かって
からの心の寄せ方は今どきな女の子らしくて思わず微笑ましい感情を覚えました。順調に
力をつけていく「チアーズ」の面々がまだ知らぬ一報が完結巻に何をもたらすか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年11月12日

『六畳間の侵略者!? 33』

健速 先生が贈る人気シリーズ。シリーズ10周年記念ドラマCD付き特装版が同時発売となる
通算35冊目は書き下ろし込みで3つの小編を収録する「へらくれす編」第5弾となります。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/869.html


「頭脳派頂上決戦!!」は“エルファリア”と“キリハ”の似た者同士なやりとり、そして
“孝太郎”との距離感が絶妙で。相変わらず皇帝らしからぬ茶目っ気ぶりが可愛らしい。
「ひよこデイズ」ではまだまだ成長の途にある“ゆりか”のらしさが感じられて実に良い。

「想い出の場所にて」では今に至るまでの“真希”の話を“キリハ”が聞くことで彼女に
とって適切な助言を、自身の体験を交えつつ与えていくというある種余裕すら感じられる
“キリハ”の優位性を感じられるお話でした。ここもある意味「似た者同士」なんですね。

「増幅回路についてのあれこれ」は“クラン”のifルート。過去のフォルトーゼに行って
変わる機会を得た彼女と相変わらず憎まれ口を叩く“孝太郎”が、家族仲を思いやったり
嗜好を理解したりと日常を経て心通わせる描写がこそばゆい。彼女らしい辿り着き方です。

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2019年11月11日

『戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉 10』

SOW 先生が贈る街角パン屋繁盛記。第10巻は人として“ルート”と共に生きることを望む
“スヴェン”にとって鍵となる“マイッツァー”を巡り、2人が大戦の陰謀に介入します。
(イラスト/ザザ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/872.html


オーガスト連邦首都にミサイルを落とし、混乱する国を救う英雄として“マリー・ヴィル”
を仕立て上げる。“聖女”の思惑に保安部が同調して“マイッツァー”の身柄を拘束、と
一気にきな臭い情勢に転じる中、“ルート”も囚われた上にあんな処置を施される羽目に。

事を順調に進める“聖女”に手が出ない“スヴェン”がどうにか再会した“マイッツァー”
から耳にした思いがけない世界の理、“神”の過ちを巡る逸話、“聖女”にまつわる真実。
“スヴェン”という存在自体の特別さ、その彼女がもたらす愛の奇跡、反撃の展開が熱い。

報告書という体裁で始まり、そして終わり、語り継がれていく“ルート”と“スヴェン”。
ザザ 先生が描く最後の挿絵が全てを物語っていると思うと、つい涙が出そうになりました。
“聖女”と“悪魔”も落ち着く所に落ち着いて一安心。無事の完結を心より祝う次第です。

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2019年11月08日

『芽亜さん、こっち向いてよ』

保住圭 先生が贈る新作はラブコメディ。中学生になる少年が父親から突然に告げられた
同い年の美少女との同居生活の始まりと、そこから広がる様々な戸惑いぶりを描きます。
(イラスト:神岡ちろる 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/measan/321904000844.html


父親に憧れて様々な「課題」をクリアしてきた“空也”。許嫁として紹介された“芽亜”
との「新婚生活」も何か意図があると勘繰りつつ、やたら前向きな彼女の動機も気になる。
何かと秘密のある彼女が空回りして恥ずかしがる姿は可愛すぎてそれどころじゃなく──。

表紙、口絵、そして挿絵にもある通り、とにかく“芽亜”の恥ずかしがる姿が何度となく
描写されて、その一つ一つがもう破壊力抜群で。保住 先生の欲望が如実に出ております。
彼女の友人“小鳩”の通い妻宣言からのヤキモチ焼きっぷりも実にお見事な話の振り方で。

“芽亜”の秘密もさることながら、2人が共同生活を始める契機となった“空也”の家の
事情、そして「彼の秘密」も注目する要素の一つ。彼女をリードしようとする彼の本質を
友人たちがどう明かすかも読んで確かめていただきたいです。ぜひ萌え転がってください。

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2019年11月07日

『スレイヤーズ17 遥かなる帰路』

神坂一 先生が贈るライトノベルの金字塔と言えるファンタジー作品。第17巻は何の因果か
魔族の結界『外』に放り出された“リナ”たちの冒険を描く長編版、第三幕に突入します。
(イラスト:あらいずみるい 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/slayers/321906000824.html


遂に魔族すらまたいで渡る存在、というか有名人となった“リナ”の自覚の無さが新たな
物語が始まる兆しを感じさせて懐かしくもあり、楽しくもあり。“ガウリイ”の何気ない
一言に赤面する様子も、ノリと勢いでグイグイ進む様子もまたお変わりなくて安心します。

色々と勝手の異なる『外』の世界で旅の魔道士として過ごそうとする“リナ”たちが早速
目をつけられて追手を掛けられる展開と、道中で出会った自由闊達ながら行動原理が少々
読めない少女“ラン”との関係が長編シリーズとしてどう絡んでくるのか注目したい所で。

本作が刊行されてから30年の時が過ぎようとする昨今に、ライトノベルを取り巻く状況も
随分と様変わりしてきました。そんな現状を鑑みてなお、本作の長編シリーズに踏み切る
「ファンタジア文庫」編集部の気概。最後まで見届けられたらと期待を胸に思う次第です。

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2019年11月06日

『ゲーマーズ!12 ゲーマーズと青春コンティニュー』

葵せきな 先生が贈る、こじらせゲーマーたちのすれ違い青春ラブコメ。第12巻はいよいよ
恋人となった“景太”と“花憐”がしょうもない喧嘩をするところから始まる最終巻です。
(イラスト:仙人掌 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201503gamers/321806000015.html


“亜玖璃”もすったもんだあって“祐”と恋人となったものの、“景太”とのファミレス
トークはしっかりと続けていく関係が本当に面白くて、興味深くて。気が置けない関係と
いうのはまさにこのことと言わんばかり。風呂の件は油断しすぎて事案なのも2人らしい。

想いは届かない。分かっていながらも迎えるその瞬間を先へと延ばそうとする“心春”の
心苦しさが切ない。“景太”の覚悟を前に彼女がどんな行動に出るか心配でしたが、実に
それは杞憂で。彼女なりの“景太”との距離感を追い求めていく姿勢は立派とも言えます。

振り切った“千秋”にも思い出深い「シュピール王国」で迎える、ゲーム好きたちの休日。
“真音”たちの思いやりに心温まるものの、最初からこれなら本作はこうも拗れなかった
ですし面白くもならなかったかと思うと苦笑い。ゲームを愛する者たちの未来にに幸あれ。

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