2022年10月05日

『高嶺の花には逆らえない2』

冬条一 先生が贈る、ヒロインたちが暗躍する新感覚ラブコメ。第2巻は“あいり”との
デートを夢見る“葉”が資金調達のためバイトに精を出す所から新たな火種が生まれます。
(イラスト:ここあ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530902


身だしなみを整えるのも、デートに出かけるにもお金が要る。ということでファミレスの
アルバイトに臨む“葉”がのっけからババを引きそうになる展開と、その裏で巡らされる
謀略と駆け引きが驚きの連続。“あいり”の攻勢が功を奏するか、注目の展開が続きます。

焦りを覚えずにはいられない“千鶴”が、けれども自身の決意を貫き通そうとする姿には
称賛するしかなくて。それでも挫けそうな心を“美紀”が激励するあの一言に痺れました。
彼女の母親も事態好転に寄与するものの、隠したくなるのも納得の曲者なのがまた面白い。

“新”の“あいり”に対する執着が益々の熱を帯びてくる中で、彼女が彼に課した最後の
約束がいよいよ危険球っぽく見える引きが非常に気になります。“千鶴”も“葉”に対し
願い事を叶えてもらって予断を許さない流れですし、揺れ動く彼の心の行方も要注目です。

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2022年10月04日

『王様のプロポーズ3 瑠璃の騎士』

橘公司 先生が贈る新世代最強の初恋を描くファンタジー。第3巻は“瑠璃”に本家から
婚姻決定の知らせが舞い込み、“彩禍”も巻き込んで不夜城家の秘密に触れていきます。
(イラスト:つなこ 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202109propose/322205000950.html


あれだけ“彩禍”に熱を上げる“瑠璃”が本家へ戻った途端に結婚、中途退学すると宣言。
この急展開に〈虚の方舟〉学園長も務める不夜城家の当主“青緒”が何を仕掛けたか探る
ために“無色”が乗り込む、のは順当としてそこが「女子高」というのは文句ない話運び。

不自然な言動を示す“瑠璃”にショック療法で臨む“無色”の肝の据わり具合が面白くて。
“青緒”の思惑に気づいた“黒衣”が示す本音にしっかり向き合う彼の言動が凛々しくて。
その彼に“瑠璃”がどんな覚悟をもって今に至ったかを知ることが出来たのも印象深くて。

不夜城家の「婚礼の儀」が示す真意を知った“無色”、そして“瑠璃”が“青緒”に対し
投げかけた想いの数々は熱量に溢れていて見どころの連続。結果として“瑠璃”にも色々
誤魔化しが効かなくなってきた上でのあのラストも良かった。続きも引き続き楽しみです。

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2022年10月03日

『ぼくたちのリメイク11 無駄なことなんかひとつだって』

木緒なち 先生が贈る青春リメイクストーリー。第11巻は大学を卒業しチームきたやまから
離れた“恭也”が新たに辿り着いた「十年後の世界」で直面する人生の転換期に触れます。
(イラスト:えれっと 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/bokutachi-remake/322204000947.html


クリエイティブな世界から離れて知り合いと立ち上げた小さな広告代理店の社長となった
“恭也”に突如入る“九路田”からの電話。嵐を予感させる静かな話の立上がりに不安と
期待がないまぜになる導入ですでに物語への没入感が凄い。めくるページが止まりません。

“河瀬川”が直面する窮地。サクシード上層部の不審な思惑。絶望的な流れを彼女の示す
本音で“恭也”の重い腰を上げさせた時の歓喜たるや。チームきたやまの面々が吐露する
彼への想いからも熱い感情が胸にこみ上げてきます。特に“貫之”のラブレターが印象的。

“恭也”がやりたいこと、「みんなで最高の作品を作り上げる」という夢をいま一度追う
ことへの躊躇いを払拭する師匠の言葉も胸に響くものがあります。再起したプロジェクト
に対しサクシード上層部はどう応えるか。最終巻となる次巻の刊行が待ち遠しい限りです。

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2022年09月30日

『古き掟の魔法騎士V』

羊太郎 先生が贈る、教官騎士に導かれし王子の英雄譚。第5巻は“エンデア”によって
絶望の淵に立たされた世界で王として覚悟を見せる“アルヴィン”に“シド”が応えます。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202012fairyknight/322204000986.html


“アルヴィン”に対して抱く“エンデア”の憎悪。それに困惑する“アルヴィン”の言動。
すれ違いの根源には先人たちが残した禍根がある、と分かってからのやるせない気持ちは
“シド”にどんな感情を抱かせたのか。一人を除いて悲痛なまでに残酷な展開が続きます。

「野蛮人」と呼ばれることを甘んじて受けた“シド”。“アルスル”の騎士として、その
志を全うするために選んだ結果であることが分かる過去の経緯も、今ここに在る訳も含め
“シド”の生き様が際立ちます。羊太郎 先生は男性キャラを格好良く描くのも秀逸です。

“テンコ”たちが新たな騎士道精神を魅せてくれる中で、残された時間の限りを尽くして
“シド”が戦い抜いた末に辿り着く結末。ぜひ見届けてほしいと思える作品です。完結を
祝うと共に『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』の続刊、そして新作にも期待したい所です。

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2022年09月29日

『天才王子の赤字国家再生術12〜そうだ、売国しよう〜』

鳥羽徹 先生が贈る弱小国家運営譚。第12巻は帝国の皇位継承を巡る政争決着に一役買った
“ウェイン”がナトラ国内にはびこるフラム人による独立国家樹立の気運と向き合います。
(イラスト:ファルまろ 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815616410/
https://tensaiouji-anime.com/


“ニニム”が“ウェイン”を支える身であり続ける理由。その背景を幼き日の2人が邂逅
したところから深堀していく描写と、彼女を担ぎ上げようとするフラム人たちとの温度差。
行き着く先が不幸にしかならないのでは、と不安を覚えずにはいられない展開にやきもき。

帝国の次はナトラかと揺れ動く世界情勢に拍車をかけるのが“フラーニャ”の兄に対する
宣戦布告。彼女の胸中に火種が燻ぶっていただけに、持論を投げかけ合うやり取りを見て
「ついにこの時が来たか」と思う一方、“ウェイン”の余裕な姿勢が不気味にも映る訳で。

諸外国から見ても今後の動向が注視されるナトラに突き付けられた究極の選択。さすがの
“ウェイン”でも一考を要する事態に気を揉む“ニニム”が目の当たりにする衝撃の展開。
彼の「大事なもの」になる、という宣言は果たせるか。佳境を迎える話の行方に注目です。

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2022年09月28日

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件7』

2023年にTVアニメ放送を迎える、佐伯さん 先生が贈る甘く焦れったい恋の物語。第7巻は
文化祭に向けて“周”と“真昼”が周囲から目を惹かれることに互いに葛藤していきます。
(イラスト:はねこと 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815612016/
https://otonarino-tenshisama.jp/


努めて紳士に振舞う“周”の心理をわかった上でつい「おねだり」してしまう“真昼”の
可愛らしさたるや。口絵で魅せた彼女の姿を見れば、「メイド喫茶」とクラスの文化祭の
出し物がと決まってから、見世物にされることを嫌悪する彼の心情も分かるというもので。

“真昼”の隣に自信をもって立てるよう研鑽し続けている“周”も成果は出ているご様子。
好感の持てる男子、として女子たちから奇異の目に晒されている彼を鼻高々に思いつつも
恋人として独占欲をあらわにする彼女がこれまた。律儀に返す彼の反応も熱々でご馳走様。

家族ぐるみで良い関係が築けている“周”と“真昼”。一方でどうにもならない理由から
“樹”の両親と“千歳”にしこりを残す関係にあるのが切ない。何とか切り返してほしい
と思いながら、ラストで緊張感を漂わせる引き具合。次巻の動向も目が離せないようです。

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2022年09月27日

『小説が書けないアイツに書かせる方法』

アサウラ 先生のオリジナル作品が「電撃文庫」に初登場。ED(勃起不全)に悩む新人賞
受賞作家の少年が、ある少女からの脅迫を契機に次回作が書けない事実とも向き合います。
(イラスト:橋本洸介 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322202000064.html


とある小説新人賞で優秀賞を飾った月野シズクこと“月岡零”は高校一年生の男子である。
期待の新人作家だが、新作は出ないまま一年が過ぎる。執筆に迷走する彼の前に謎の女性
“琥珀”が現れ、彼女の考えた小説を書かないと周囲にシズクだとばらすと脅されて──。

“雫”が書けない理由が「勃たないこと」も、それに理解を示す彼の姉妹も「電撃文庫」
としては攻めたテーマであることがまず印象深い。下ネタに寛容な“琥珀”もヒロインと
してははっちゃけた設定で、読み進めていくとわかるその下地を培った家族関係も特徴的。

本作のタイトルがダブルミーニングになっているのでは、と思わせる内容。「書かせる」
はひらがなにしたかったのでは、と邪推したくなる展開。飛び道具のように見せながらも
しっかりと魅せる作品に仕上げてきたところは流石の一言。十分にお薦めできる作品です。

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2022年09月26日

『リコリス・リコイル Ordinary days』

アサウラ 先生がストーリー原案を務めるTVアニメのスピンオフ小説を自らノベライズ。
アニメで描き切れない「喫茶リコリコ」の面々が織り成す日常と非日常の狭間を描きます。
(イラスト:いみぎむる 先生 原案・監修:Spider Lily)

https://dengekibunko.jp/product/322205000797.html
https://lycoris-recoil.com/


東京都墨田区錦糸町。“徳田”が見つけた洒落た佇まいの「喫茶リコリコ」はそこにある。
子供から大人まで幅広い年齢層の店員が務めるこの店に足しげく通う彼は「ある仕事」を
頼むべく声を掛けた“ミカ”は、神妙な面持ちで彼の話に耳を傾ける。その仕事とは──。

「どんなジャンルのお話でもやれる地盤の強さがある」という アサウラ 先生の言葉通り
“千束”や“たきな”たちが色々な一面を限られた枠の中で魅せてくれているのが印象的。
妙に詳しいガンアクションあり、腹にきくグルメな描写あり、で安定感を覚えたのも然り。

向こう見ずな“千束”の振舞いや、融通が利かない“たきな”の言動など興味深い場面を
楽しみつつ、一番思い入れがあるのは“カナ”の話。日常と非日常の絡み具合が絶妙です。
いみぎむる 先生の挿絵も含め、アニメとは別の一面を今後も見られたら、とも思います。

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2022年09月23日

『となりの悪の大幹部!』

「昔勇者で今は骨」「グリモアレファレンス」の 佐伯庸介 先生が贈る新作は、怪人らを
やっつける戦隊の一員である青年が隣室に引っ越してきた住人との意外な交流を描きます。
(イラスト:Genyaky 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322112000007.html


“草間ミドリ”は悪の秘密組織と戦う5人の戦隊組織「バンショクジャー」の一員であり
高校の非常勤講師も務めるアラサー独身である。ある日、戦闘を終えて帰宅すると隣室に
入居する子連れで褐色銀髪の美人と遭遇するが初対面なのに見た覚えがある気がして──。

戦隊の中では支援役に回る“ミドリ”の不遇さを払拭するかのような“アシェラー”との
濃密なキス。そこに至るまでの、遡れば秘密組織と対峙する経緯を語る“タラタット”が
明かす真相、相互不理解の背景がいろいろと筋道の通っている内容で、納得感のある展開。

新たな敵との戦いでも“ミドリ”の立場が重要になってくる場面では爽快感を覚えますし、
何より Genyaky 先生の挿絵による演出も相まった艶っぽい描写が絶妙。“アシェラー”が
度々覗かせる可愛らしい一面もぜひ堪能あれ。面白くて、色々と考えさせられる一作です。

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2022年09月22日

『天使は炭酸しか飲まない3』

丸深まろやか 先生が贈る青春物語。第3巻は天使としての活動にかまけて補習づくしの
夏休みを迎える“伊緒”が、正体を知られている後輩の恋愛相談にのる顛末を描きます。
(イラスト:Nagu 先生)

https://dengekibunko.jp/product/tenshihatansan/322203002166.html


“伊緒”がやらかした過去の失態から、彼が「天使」だと気づいている所からスタート
する後輩“光莉”の恋愛相談。中学時代からの好きが高じて“鷹村”と同じ高校へ進学
を決めるほどの想いに彼は応えてくれるのか。今回も難題が“伊緒”に降りかかります。

諦めきれないなら例え何度でも、告白して気持ちを伝えることが大切と考える“伊緒”。
何回告白しても振られる、叶わない恋はいつまで続けたらいいのかと葛藤する“光莉”。
好きな人への想いに区切りをつけるか否か、の論点が物語を大きく動かす展開が印象的。

“伊緒”が抱き続ける“彩羽”への思慕。彼に“梨玖”が思う所ある内容を知ることが
できたのが良かったですし“御影”たちも同様に考えてくれていて本当に良い子たちで。
ラストで不穏な影を落としながら迎える続刊の危機、はねのけてほしいものであります。

posted by 秋野ソラ at 01:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル