2018年02月23日

『父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ』

みかみてれん 先生のカクヨム「漫画原作小説コンテスト・大賞」受賞作。参加者がみんな
殺し合うデスゲームを運営する会社に勤める敏腕部長の世知辛い日常を描くコメディです。
(イラスト:いなほ咲貴 先生)

http://novel-zero.com/issued/2018/02/01.html
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881423791
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_KS01000065010000_68/


失敗すれば即死亡。革新的で刺激的なエンターテインメントとなるデスゲームを次々と世に
送り出す制作運営会社「FATHER」。その要となる運営部門統括部を担う“黒崎”は上司の
無茶ぶりや部下の期待に応える多忙な日々を送る。最愛の妻と大事な娘を養うために──。

クセの強い“スティーブン”、直属の部下“紫乃”を引き連れシステムエンジニアに似た
トラブル対応に追われる“黒崎”にある種の共感を覚えます。死の雰囲気を感じさせない
コミカルな描写が先生らしい持ち味を魅せます。マンガと挿絵担当が同じなのも良いです。

“黒崎”が“紫乃”の豊満な胸に惑わされることなく妻“美咲”との愛を育む様子、娘の
娘の“花蓮”やその同級生“梨々香”に好かれる関係には癒されると共に羨ましさもあり。
仕事に誇りを持つ彼の姿勢も褒めておきたい点です。マンガと共に躍進を期待する所です。

posted by 秋野ソラ at 00:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年02月22日

『田中〜年齢イコール彼女いない歴の魔法使い〜 6』

ぶんころり先生が贈る王道異世界ファンタジー。第6巻はペニー帝国の代表として魔法の
最先端をゆく「学園都市」を訪れた“田中”が、ある研究を巡る騒動に巻き込まれます。
(イラスト:MだSたろう 先生)

http://micromagazine.net/gcn/lineup/tanaka06/
http://micromagazine.net/gcn/tanaka/


娘を思うあまり無理を通そうとした“リチャード”の行動が引き起こした“エステル”の
記憶喪失。関係をリセットする良い機会と捉える“田中”の心情と、彼女の想いを知るが
故に気が気でない“ソフィア”や“エディタ”の機微の違いが問題の難しさを物語ります。

“田中”の気持ちを唯一知る“ロコロコ”とのやりとりも前巻に続き興味深い。その彼が
“エディタ”と共に訪れた学園都市で、ある出自故にいじめを受けていた“アーシュ”を
助けることになる彼が思いがけず“エステル”と対決することになる展開がまた面白い。

そして今巻では“田中”にまさかのキスシーン。もちろん挿絵付きで。我が世の春か、と
言わんばかりの内に秘めた喜びを、ぶんころり先生が否応なしに地の底へ叩きつけていく
かのような展開には思わず苦笑い。報われない“エディタ”を応援しつつ次巻を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年02月21日

『底辺剣士は神獣<むすめ>と暮らす 4 家族で考える神獣たちの未来』

番棚葵 先生が贈るまったり迷宮攻略ライフ。第4巻は“フェニ”たちを正式に迎え入れた
“アード”が、彼女たちの行く末を、そして自身が冒険にこだわる理由を見つめ直します。
(イラスト:米白粕 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1620


いずれ“アード”の老後を世話するかもしれないことを加味して仕事を探す“フェニ”たち。
彼にならって冒険者・・・の一環である探偵業に臨むことに。もちろん最初から上手くいくこと
もありませんし、仕事の内容も理想とはかけ離れたものになります。微笑ましいものです。

とは言え色々な仕事をこなしていく内に、やがて街を騒がせる強盗団の尻尾を掴む娘たちに
気が気でない“アード”の親として成長していく様子も見どころの一つと言えるでしょう。
成長した娘たちを信頼し見守る、その姿に。“リウナ”のサポートも光るものがありました。

探偵団を結成して一番の謎解きに臨む“フェニ”たちと“アード”。思いがけない結末を
前にして彼女たちが決めたこと、そして彼が冒険者であり続ける理由を見届けて家族もの
としても存分に堪能しました。未来に向かって進む彼ら彼女らを応援せずにいられません。

posted by 秋野ソラ at 01:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年02月20日

『引きこもり勇者VS学級委員長まおう』

春日山せいじ 先生の「第19回えんため大賞・特別賞」受賞作。平和な世界で要らない子と
なった引きこもり勇者と学級委員長となった魔王が主体のファンタジック・コメディです。
(イラスト:武藤此史 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047349698/


地球に隕石が落ち、溢れた亜人たちによる魔王襲来の警告を元に立案された勇者育成計画。
来たるべき時に備え頑張ってきた“勇者”の努力は“魔王”からの和平提案により崩れる。
自堕落な彼の生活をドアと共に吹き飛ばす女の子こそ学級委員長となった“魔王”で──。

ゲーム漬けの日々を過ごす“勇者”の部屋に事あるごとに入り浸る“魔王”。一緒にゲーム
などして過ごすことで改めて彼と共に学校生活を送ることを望む彼女の想いをことごとく
拒んでいく彼の「学校に行きたくない」という執念がコミカルに描かれていて面白いです。

和平を結んだ人間側、魔王側共に一枚岩ではないことなどお構いなしに、果たせなかった
“魔王”と“勇者”のガチな戦いでもって彼の進路を決める大一番を迎えます。この顛末も
彼の予想を超える展開で楽しませてもらいました。“エイミー”の報われなさにも注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年02月19日

『拝啓、最果ての勇者様へ 〜竜王の姫とめぐる旅〜』

三萩せんや 先生が贈る新作はトラベルファンタジー。平和を築こうとしたポストマンの青年、
平和を信じた竜人の王女、2人が出会い、共に旅する中で変化していくその機微を描きます。
(イラスト:三弥カズトモ 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321711000701


最後の勇者候補“アルノス”は人魔戦争終結後、ポストマンとして働くことを決め早4年。
平和な世界を見たいと国を飛び出したものの、人に裏切られた“エリヤ”を預かることに。
助手として彼女を連れる彼は思いを巡らせる。王から受けた魔王の後継者を殺す密命を──。

“アルノス”に“エリヤ”を任せることを決めた“ブローディア”や、彼の心情に気づき
釘を刺す“ライアン”。2人の元勇者の気遣い、同僚の“パロット”、手紙を届ける旅の
途中で出会う人々、何よりも彼の言動に触れて“エリヤ”が見せる優しさに心救われます。

そして、ある依頼のために冥府の王“ニグレド”に会うことを“エリヤ”が決めたことで
“アルノス”は2人の旅を続けるのか、終わらせるのか、重大な選択を迫られます。命を
賭けた“エリヤ”からの手紙の演出も素敵ですし、ぜひ顛末を見届けてほしいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル