2017年08月21日

『ゼロから始める魔法の書X ーゼロの傭兵〈下〉−』

虎走かける 先生が贈るファンタジー作品。第10巻は“ゼロ”から有無を言わさず別れを
告げられた“傭兵”がその理由を知るため、彼女の後を追うべくあらゆる手を尽くします。
(イラスト/しずまよしのり 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893274-5/


自分の弱さを痛感してもなお無謀な道を行こうとする“傭兵”を友として止める“神父”
の折れ具合にまず目を見張ります。かつて「好き」の理由を問うた“ゼロ”と“傭兵”の
やりとり、それが“泥闇の魔女”と対峙するまで何度も活きてくる展開が印象に残ります。

“ゼロ”が「ゼロの書」を書く。その結果に至るまでの過去、仕組まれた迂遠な計画など
色々と明らかになりました。だからこそ今の“ゼロ”が、そして“傭兵”がいると思うと
感慨深い。無茶する2人を心配する“リーリ”や“アルバス”の気持ちも分かるものです。

“オルルクス”も順当な末路を辿り、「名も無き英雄」を受け入れると決めた教会の未来
もあずかり知らぬまま“ゼロ”と“傭兵”も見事に落ち着いての第一部完、お疲れ様です。
第二部はぜひ作品名を少し改めて、新たな再出発を果たしてほしい。楽しみにしています。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年08月18日

『伊達エルフ政宗4』

森田季節 先生が贈る異世界転生×戦国ファンタジー。第4巻は“織田サタン信長”打倒を
目指し東西から攻める“政宗”たちの戦略は成功するか。物語もクライマックスを迎えます。
(イラスト:光姫満太郎 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797390186.html


諸大名を味方につけたとは言え、織田家家臣たちもそれに劣ることなく。緊迫の度合いが
増す中で“景綱”が遂に“勇十”へ想いを告げてしまいます。それを見た“政宗”の暴走
する様子が彼女自身の不安定な心境を象徴するかのようで何とも不安要素がいっぱいです。

史実と同様、鍵となる“光秀”の説得にあたる“義昭”の情けなさはご愛敬として、なお
力を圧倒する“信長”を前に絶望感が漂う局面を迎える“勇十”はイヅナ法を使いこなし
窮地を引っくり返せるか。“政宗”の想いと共に大活躍する彼の奮闘ぶりがまさに見所。

“景綱”らが“勇十”に決めてほしいこともしっかりと決着をつけて大団円と言えます。
巻末の「戦国武将列伝」にある通り最新の学術研究も交えて設定を組み合わせた絶妙な
バランスは、ここまでこじつけられたら何も言えない。脱帽です。完結お疲れ様でした。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年08月17日

『ゲーマーズ!8 星ノ守心春と逆転バックアタック』

TVアニメ放映中の、葵せきな 先生が贈るこじらせゲーマーたちの すれ違い青春ラブコメ。
第8巻は元カノとなった“花憐”を他所に、揺れ動く“景太”周辺の恋愛模様を描きます。
(イラスト:仙人掌 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321703000996


修学旅行4日目。“景太”は“心春”に、“花憐”は“千秋”に、各々が今の心境を吐露
することで想いを新たにリスタートする2人を他所にラスボス化する“亜玖璃”が何とも
可愛そうで痛ましい。“祐”何とかしろ、と外野の読み手としても言わざるを得ない展開。

こじれた2人とは打って変わって“景太”と“花憐”の密接な関係がなぜか止まらない。
そこへ“心春”から仕掛けられた“千秋”とのデートを敢行したりと彼を巡る三角関係も
止まらない。こちらはこじれているのに関係は良好、という謎なやりとりがまた面白い。

“祐”の件はひとまず置いといて、こんな流れでクリスマスパーティーなんてできるの?
みたいなやり取りを経て、再び物語の進行上、とても大きな爆弾を仕掛けてきた“心春”。
彼女も「彼女」も報われてほしいと思いますが“景太”の選択肢は如何に。次巻を、早く。

posted by 秋野ソラ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年08月16日

『観葉植物になって百合カップルのイチャラブ生活を見守るお話』

みかみてれん さんのサークル「てれたにあ」がコミックマーケット92に送り出す新作は
百合もの大好き女子高生が観葉植物となって妹らの成長を見守る百合ラブストーリーです。
(イラスト:ゆぞうに さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/55/25/040030552504.html


不慮の死を遂げた“華”は気づくと何故か小学5年生の妹“葵”の部屋にある観葉植物に。
憧れの姉を失い気落ちする“葵”を、幼なじみの“千晴”が「元気が出るおまじない」で
慰める瞬間を目にした“華”は百合ップルの誕生を特等席で見守ることを決意した──。

小学生編、中学生編、高校生編と成長していく“葵”を見守る“華”の前向きさに苦笑い。
“千晴”との百合描写に注力するかと思えば二人の仲に思うところある級友の“泉美”が
急接近したりと“葵”の無垢な心は揺り動く。みかみ さんのやりたいことがてんこ盛り。

生活環境の変化にも対応できる“華”の仕掛けに驚嘆しつつ、自分のことを想ってくれる
“千晴”と“泉美”に対して“葵”はどんな選択をするのか。結末も含めてこれでもかと
詰め込まれた百合要素に大満足。挿絵の柔らかい雰囲気も作品に合致していてステキです。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2017年08月15日

『数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。』

長田信織 先生が贈る新作は、皆に数学を愛してもらう夢を抱いた理系青年が戦争を間近に
控えた小国で前時代的な考えを持つ家臣に悩まされる敏腕王女を救う異世界数学戦記です。
(イラスト/紅緒 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893271-4/


兵も無く、金も乏しい。弱肉強食という世界のルールに怯える側の小国「ファヴェール」。
病に倒れた王の代行として王女“ソアラ”が信念をもって臨むも周囲に理解されず悶々と
した日々を過ごす。そこに見知らぬ青年“ナオキ”が現れたことで事態は動き始める──。

“ソアラ”の理解されない不遇っぷりに同情の念を禁じ得ない導入から、定性的で曖昧な
考え方を定量的で明確な分析から論破していく“ナオキ”の数学バカっぷりが実に楽しい。
理論等についてはイラストで解説も入りますので数字が苦手な方でも問題なく読めるかと。

唯一の理解者である“ナオキ”と共に国を変えていく“ソアラ”が直面する最大の挫折と
悪意にどう対処するか。世の中そんなに甘くない、それでも諦めない二人がどんな結末を
歩んだのか、ぜひ見届けてみてください。紅緒 先生のイラストもキャッチーでお薦めです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル