2017年12月13日

『いつかのクリスマスの日、きみは時の果てに消えて』

瀬尾つかさ 先生が贈る新作は、謎の猛火に襲われた街で死にかけた少年が不思議な生物に
助けられ、過去を改変する機会を得たことで究極の選択を迫られる顛末と結果を描きます。
(イラスト:椎名優 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047348899/


ホーキンス大災厄で不思議生物ニムエと共生する日々を過ごす“悠太”。同じ境遇にいる
“恵”と出会い、彼女の亡き親友が「ニムエが2体いれば何かが起こる」と言及していた
ことを知る。その力で過去に飛んだ彼が出会った少女こそ件の親友“玖瑠美”だった──。

何か悟っていた“玖瑠美”。次第に心惹かれていく“恵”。過去に飛ぶための条件も掴み
大災厄と呼ばれる過去の猛火を無かったことにすべく、僅かに会える“玖瑠美”に全てを
託した“悠太”が過去改変に成功したかと思えば、今度は“恵”が死んだ世界線が訪れる。

好き同士となった“悠太”と“恵”が居る世界は“玖瑠美”の犠牲がなければ得られない
のだろうか。選ばなければならない道に葛藤し、最終的に彼がどんな結末を迎えるのかを
見届けてほしい物語。ちょっと不思議で、切なくて、心温まるステキな単巻作品でした。

posted by 秋野ソラ at 01:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年12月12日

『死を見る僕と、明日死ぬ君の事件録』

古宮九時 先生が贈る新作は、これから死ぬ人間の亡霊が見えるのに救えなかったことへ
虚無感を抱く大学生の青年がある女性と出会い、共に運命に抗う生き方を描く物語です。
(イラスト/浅見なつ 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-893525-8/


ある事件に巻き込まれたことを境に大学には一か月で行かなくなった18歳の“神長智樹”。
場所に残る人の記憶を「彼ら」と称し何度も死を見届けた彼の心の拠り所は“鈴”という
いつか死ぬ女性の亡霊。ある日、同じ姿をした人とすれ違い思わず手を取ってしまい──。

あ〜、これは読み返し必須ですね。とんでもない切り返しにまず「やられた」感がすごい。
“鈴”というか“鈴子”ですが、彼女と“智樹”のやり取りが漫才のようで面白いことと
二人の活動が軌道に乗り始める高揚感に油断していると「彼女の知見」を見逃すというね。

事件によって記憶が抜け落ちている“智樹”がおぼろげに覚えている「ある人物」とその
「助言」が少しずつ形となり、“鈴子”の運命が迫ってきてからの緊迫感と物語の真実は
ぜひ読んで確かめていただきたいところ。読了後の余韻も心地よい一冊でございました。

posted by 秋野ソラ at 01:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年12月11日

『絶対彼女作らせるガール!』

まほろ勇太 先生の「第13回MF文庫Jライトノベル新人賞・優秀賞」受賞作。必勝の女神と
呼ばれる少女に、片思い成就の応援をされまくる少年のドタバタを描く青春ラブコメです。
(イラスト:あやみ 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1601


生徒会の一員で冴えない少年“大地”が通う高校には願いを叶える必勝の女神こと“絵馬”
がいる。想い人である生徒会長“玲花”に好きな人がいると知り、失意のどん底に陥った
彼のことに“絵馬”が気づいてしまったところから、彼の恋愛模様は大きく動き出す──。

“絵馬”の「女神スイッチ」を入れさせないために尽力してきた“みりあ”と“エレナ”
の努力を無にする“大地”に、何だかんだと与える二人の助言が婚活にも活かせる内容で
ためになる所がありました。そのあたりのやり取りも面白くてしっかりラブコメしてます。

とは言いながら、報われないとしか思えない状況にある“大地”が自身の恋心にどう決着
をつけるのか、彼の恋愛を応援する“絵馬”はそれをどう受け止めるのか。“玲花”の
複雑な心境とその変化も含めてそれぞれの青春ぶりをぜひご堪能あれ。お薦めの新作です。

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2017年12月08日

『Just Because!』

鴨志田一 先生が脚本・シリーズ構成を務める青春アニメ。その原作小説を先生自ら上梓。
鎌倉を舞台に繰り広げられる、高校三年生となったある少年少女の青春群像劇を描きます。
(キャラクター原案:比村奇石 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-893384-1/
http://justbecause.jp/


元生徒会長の“美緒”、野球を続けている“陽斗”。二人の通う高校に最後の三学期だけ
通うために転校してきた“瑛太”。中学時代に同じ時間を、別々の想いを抱えて過ごした
三人が再び出会う時、新たな気持ちや葛藤が生まれ三者三葉の物語を動かしていく──。

写真部廃部を回避すべく行動する“恵那”に、かつて抱いた“美緒”へ想いも含めて目を
つけられた“瑛太”と、彼と突如再会した“美緒”の複雑な胸中の描写に心がやきもきと
させられる話運び。読み進めるごとに惹かれ、惹き込まれていくその絶妙さがたまらない。

急速に繋がりを深め直した三人の中でも“瑛太”が素直じゃないのに一途で。やがてある
選択肢を選ぶことになるワケですが、これがまた現実的でありながらしっかりと青春さを
アピールする結果に誘導されていて大満足。鴨志田 先生のすごさを見せつけられました。

posted by 秋野ソラ at 01:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年12月07日

『ぼくたちのリメイク 3 共通ルート終了のお知らせ』

木緒なち 先生が贈る青春リメイクストーリー。第3巻は“貫之”の学費調達を目的として
同人ノベルゲームの制作を計画する“恭也”が自身のノウハウを活かせるかが試されます。
(イラスト:えれっと 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1603


“亜貴”と一緒に寝落ちしたところを“奈々子”に見られる、というベタな導入から始まる
二人のにらみ合いがラブコメぶりを発揮して、「共通ルート終了」を予感させてくれます。
戸惑う“恭也”の悩むポイントが彼らしくズレている部分も本作らしくて興味深いもので。

当時のノベルゲームにあるエッチなシーンを組み込むことに戸惑うチームきたやまの面々を
どう引っ張っていくか、やる気と納期で優先させるべきは、といった長年勤めてきた調整役
としての采配を見せる“恭也”。好転する事態とは裏腹に、話の流れに暗雲が立ち込めます。

やがて迎えるマスターアップ。売れ行きもそこそこで安堵する“恭也”に対して問いかける
言葉の一つ一つが恐ろしい意味を持ち始めた、と気づいた彼と読み手が抱いた不安感たるや。
この結末は想定外だっただけに次巻をどうするか、木緒 先生の手腕が試される気がします。

posted by 秋野ソラ at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル