2019年05月24日

『女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話3』

みかみてれん さんのサークル「てれたにあ」が贈る百合小説「百日百合」シリーズ第3巻。
“絢”が勤めるバーでクリスマスイブにパーティーをする話から始まる人間模様を描きます。
(イラスト:雪子 さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/


冒頭から“絢”からの罰ゲームに屈するあたり懲りないな、と言わざるを得ない“鞠佳”の
あられもない様子に気恥ずかしさを感じつつ、“絢”にとってクリスマスイブとは何ぞや、
という意味を知った時の“鞠佳”の言動がまさにお付き合いしている感丸出しで好きです。

そんな特別な日に合コンをセッティングし、“鞠佳”にお誘いをかけてきた“玲奈”が今回
“鞠佳”が抱く心境の変化を描くにあたって重要な役割を担うことになります。学生生活で
築いてきた人間関係が永遠に続くワケない、なんて「ありえない」と知った彼女のためにも。

“絢”と“鞠佳”の肉体関係に関する描写もだいぶ深みが増して、紙幅の割合も高くなって
おります。また“鞠佳”が“絢”に対して攻めの姿勢を見せる場面もあって、その“絢”が
また可愛かったりするのがズルいです。エピローグで示した“鞠佳”の決意もお見逃しなく。

posted by 秋野ソラ at 00:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2019年05月23日

『家に帰るとカノジョが必ずナニかしています』

柚本悠斗 先生が贈る新作は、「お一人様理論」なる持論を貫く高校生男子が突如現れた
美少女と週末限定のレンタル家族契約を結ぶことから始まる寸止め系青春ラブコメです。
(イラスト:桜木蓮 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815601935.html


母親はすでに亡く、山籠もりをする父親とも疎遠となって久しい“颯人”。その父親から
「誕生日プレゼント、可愛いだろ」と派遣されてきたのが“朱莉”で、彼との共同生活に
だいぶ前向きな様子。更に同じ学校に転校までしてきて独り身の彼には悩ましい話で──。

前のめりなワリには事に至らない、レンタル家族のことを周囲に秘密にしながらもまるで
交際しているかのように振舞う“朱莉”。そこへ“颯人”に何かと絡んでくる“羽凪”や
“朱莉”ラブな重度のシスコンぶりを示す妹の“雫”も加わりドタバタ感が面白いところ。

“颯人”と“朱莉”の関係が思わぬ騒動、そして事件へと繋がっていく一転した展開の中
「お一人様理論」を貫こうとした彼の人間関係を問うことになる引き具合が気になります。
必ず「ナニ」をしている「カノジョ」は大丈夫なのかと苦笑いしつつ続きを待つ次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月22日

『三角の距離は限りないゼロ3』

森野カスミ 先生による漫画連載も始まった、岬鷺宮 先生が贈る不思議な三角関係恋物語。
第3巻は三角関係の展開に戸惑う“四季”の心を彼の過去を知る人物が更に揺さぶります。
(イラスト:Hiten 先生)

https://dengekibunko.jp/product/zerokyori/321810000956.html


“春珂”の諦めない姿勢がクラスの文化祭実行委員へ“四季”と共に立候補するという荒業
まで成し遂げる中、彼女の想いを知りつつ自身の「好き」という感情の間で揺れる“秋玻”。
そこへ彼の「キャラ作り」の原点となる“霧香”が本音をぶつけてくるものだからさあ大変。

注目の的となる共同ステージの準備を進める過程で、昔の“四季”と今の“四季”の違いを
これでもかと彼自身に、そして“春珂”たちに突き付けてくる“霧香”。本当の自分とは
何なのか、キャラを作ることは嘘なのか、他人と向き合う難しさを改めて考えさせられます。

“霧香”があの宣言を有言実行とさせるべく仕組んだ文化祭の顛末。自己否定してきた自分
自分の感情と再び向き合うことになる“四季”と、抱いてきた思慕に楔を打たれる“秋玻”。
思いがけない結末へと繋がった三角関係の距離、そのバランスの行く末を見守りたい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月21日

『29とJK6 〜あなたの隣を歩きたい〜』

裕時悠示 先生が贈る禁断の年の差ラブコメ。第6巻は30歳を迎えた“鋭二”に“志織”が
突きつける今の立ち位置、それを知る“花恋”たちの焦りが物語を更に動かしていきます。
(イラスト:Yan-Yam 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797399318.html


コネで入社してきた専務の息子とその取り巻きを含めて新人教育を担当することになった
“鋭二”。その新人たちに意識高い系な“綾”も居たことから巻き起こる衝突ぶりをどう
解決に導くのか。ヤリちんぶりを発揮していたことが分かる逸話に思わずほっこりします。

そんな“鋭二”を未来の息子と見定めている“志織”が語るように、今や業界内で時の人
となった彼を色々な人々、そして思惑が放っておかない現状を踏まえて“綾”が、そして
“花恋”が各々のやり方で自分を高めていこうとする姿勢に期待と不安が胸をよぎります。

昔話ついでに明らかとなる“沙樹”の編集者時代、“花恋”が狙う次の小説コンテスト、
そして“綾”が打ち出す新企画、示された点が線となって繋がる先は想像に難くないかと。
若さとは、才能とは。大人になったからこその視点に共感しつつ続きを楽しみに待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月20日

『魔王学院の不適合者4〈下〉 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜』

シリーズ累計50万部を超す、秋 先生が贈る「小説家になろう」投稿作の大人気書籍化作品。
5冊目となる第4弾・下巻は偽りの魔王に纏わるもう一つの逸話、大精霊編の締め括ります。
(イラスト:しずまよしのり 先生)

https://dengekibunko.jp/product/maougakuin/321811001095.html


“アヴォス・ディルヘヴィア”の逸話に再び縛られる人々を前にして“アノス”が注目する
大精霊“レノ”が遂げた死の謎、その子“ミサ”誕生の秘話、精霊王が示す敵対心の真意。
その全てを“フラン”の存在意義が繋ぎとめていく展開には思わず目頭を熱くしたものです。

それも愛を知らない不器用な生き方をする“シン”に対しそれを教えようとする“レノ”、
2人が2千年前に繰り広げたこそばゆいやり取りを経て結び付いたある奇跡があってこそ。
熾死王“エールドメード”、そして天父神“ノウスガリア”が示す確執も要注視の展開で。

すべては手中にあると嘯く“アヴォス・ディルヘヴィア”。その強気な姿勢を“アノス”が
どう崩していくか。偽りの魔王という伝承を踏まえて示される彼の言動も見どころの一つ。
魔王聖歌隊が讃美歌を歌い上げる間、彼の胸中に生まれた新たな謎の行方が気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月17日

『レイジングループ REI-JIN-G-LU-P 1 人狼の村』

アドベンチャーゲーム「レイジングループ」のシナリオライター、mphibian 先生が自ら
小説版の執筆に臨む本作。奈須きのこ 先生の解説に推されながら満を持しての登場です。
(Illustration/影由 先生)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2019/04/02-post-rlfic1.html


気ままに一人バイク旅をしていた“陽明”だが山中で道に迷い、更に運悪く事故を起こす。
山中の集落で“千枝実”に助けられるもよそ者を疎む集落の人々を見て帰る決意をする彼
だが集落を突如濃霧が覆う。彼女に簡易便所に押し込まれ、外に出るなと言われるが──。

「人狼」「ホラー」そして「伝奇」というキーワードを前面に押し出した本作。人を殺す
“おおかみ”の謎、集落で連日行われる殺人儀式「黄泉忌みの宴」、そこに巻き込まれた
“陽明”が何度死んでもループして甦ってくる設定、と得心のいく話運びで惹き込みます。

ループの描写も紙幅を費やして分かりやすく示しているのが印象的で、「人狼」のような
役回りもあってどう駆け引きが始まるのか妙な期待が高まる中、“陽明”という例外的な
存在がどう物語に関わってくるのか気になります。まずは続きに期待ということで一つ。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月16日

『死神に育てられた少女は漆黒の剣を胸に抱くIII』

彩峰舞人 先生が贈るファンタジー戦記。第3巻は帝国の元帥が展開する戦略に押される
王国が常勝将軍を駆り出し起死回生を図る中、“オリビア”たちがそれを後押しします。
(イラスト/シエラ 先生)

https://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865544770


アストラ砦で“アメリア”や“フェリックス”が技と信念をぶつけ合っていることなど
知る由もない“オリビア”が図書館でヴァレッドストーム家の謎に迫ろうとする顛末が
どことなくコミカルで迫る戦乱の嵐を感じさせない緩急をつけた話運びを魅せてきます。

向かう敵に第一軍の出撃は必須、そう考える元帥“コルネリアス”の陛下に対する諫言
に熱い感情を抱きつつ迎える両国の激突。それでも天陽の騎士団が示す人外的な強さは
異様で、現地で対応する“ブラッド”の命運も風前の灯火で手に汗握る展開が続きます。

そんな窮地をいともたやすく覆すのが“オリビア”ということで、彼女の無双ぶりには
相変わらず爽快感すら覚えます。聖天使の思惑も気になる展開を見せながら“ヨハン”
とのあのやり取りで彼女に更なる意味付けをしてきて、続きが気になるというものです。

posted by 秋野ソラ at 00:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル