2019年04月19日

『リアデイルの大地にて』

Ceez 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。VRMMORPGの設定をそのままに200年が
経過した世界で目覚めた少女がNPCではない人々と触れ合い、生きる意味を求める物語です。
(イラスト:てんまそ 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/321810000464/
https://ncode.syosetu.com/n1247p/


宿屋の少女に起こされた“佳菜”はゲーム「リアデイル」で作成したハイエルフ“ケーナ”
として転生したことに戸惑う。さらに200年が経過し、文明が後退している設定に二度驚く。
サポートAIによると現実の彼女は生命維持装置の停電で肉体的な死を迎えたと言うが──。

様々な謎はさておき、ハイレベルなキャラクター設定をそのまま受け継いだ“ケーナ”が
世間知らずだが一廉の人物として周囲に認められていく、その顛末が微笑ましくて面白い。
彼女と同じスキルマスターの存在を示す塔を探すワケですが、のしかかる現実が手厳しい。

“ケーナ”が作成したサブキャラクターの思いがけない位置づけがまた印象深くて、特に
“スカルゴ”の言動には驚きの連続です。そりゃあ彼女も辟易することうけあい。そんな
彼女の穏やかな日常に影を落とす存在がちらついて続きがどうなるのか実に興味津々です。

posted by 秋野ソラ at 01:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年04月18日

『おねだりエルフ弟子と凄腕鍛冶屋の日常』

松山剛 先生が贈る新作はファンタジーコメディ。世界でも指折りの鍛冶職人に押し掛けて
弟子入りしたエルフの少女が繰り広げるドタバタ騒ぎと、その陰に潜む裏事情を描きます。
(イラスト:オウカ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/321812000842.html


妻気取りの“ルミア”から熱烈なアプローチ、彼女を慕う“マグネ”からやっかみを受け
騒々しい日々を送る“フィーゴ”は最高職人の一人として鍛冶仕事に勤しむ堅物。ある日
竜騎士団の団長を務める“エメロード”が彼の店を訪れるところから話は動き始める──。

女性客には嫉妬深く“フィーゴ”の邪魔しかしてないのでは、という印象の“ルミア”は
意外な能力を開花させて彼を唸らせたりして何かと目が離せない存在。そんな彼女がなぜ
彼の下に弟子入りを志願したのか、ひた隠しにされる彼女の過去に目を惹かれる話運びで。

“ルミア”が過去と、それに纏わる因縁を明かしたとき“フィーゴ”がどう受け止めるか。
随所に鍛冶職人としての矜持が光る、実に興味深い話運びにご注目。暗躍する「彼女」の
モノローグは先に繋がる伏線と見て良いのか。編集部の前向きな判断を期待したい所です。

posted by 秋野ソラ at 02:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年04月17日

『魔法科高校の劣等生(28) 追跡編<上>』

佐島勤 先生が贈る大人気シリーズ。第28巻は“深雪”が居ながらも“光宣”に“水波”を
連れ去られ、彼の幻術に一歩及ばない“達也”に思いがけない刺客が差し向けられます。
(イラスト:石田可奈 先生)

https://dengekibunko.jp/product/mahouka/321902000115.html


“光宣”への思慕と“深雪”への忠義。おざなりに出来ない感情の板挟みに対し懊悩する
“水波”の様子が実に生々しい。決定的な瞬間を目の当たりにした“深雪”の悩みもまた
もどかしい限りですが兄として“達也”が示した思いにはどこか救われる感じがしました。

時間稼ぎに“光宣”がけしかけてきた刺客を退ける姿とは対称的に、彼の魔法「仮装行列」
を前に圧倒することすら叶わない“達也”が見せる葛藤。これもまた珍しい展開で興味深く
見届けました。もちろん、やられっぱなしなハズもないワケで、どう対処するのか楽しみ。

“達也”暗殺を狙う思惑もくすぶる中、“光宣”を取り巻く周囲の感情もまたいろいろで。
“水波”不在の穴を埋めるべく「彼女」に白羽の矢が立ったのも波を立てるには十二分な
効果が見込まれるため、追う者と逃げる者が迎える次の一歩がどうせめぎ合うか注目です。

posted by 秋野ソラ at 02:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年04月16日

『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.19』

聴猫芝居 先生が贈る、残念で楽しい日常≒ネトゲライフ。第19巻はメインクエストに挑む
“亜子”たちが方針定まらぬ中、“英騎”の父と彼女が顔合わせする機会に出くわします。
(イラスト:Hisasi 先生)

https://dengekibunko.jp/product/netogeyome/321811001102.html


「レジェンダリー・エイジ」のお話を改めて振り返る良い機会であると共に最後のメイン
クエストということで、色々と先を勘繰りたくなる話運びには物悲しさすら予感させます。
チーム内バトルまでして意見をぶつけ合うくらい“瀬川”たちは楽しんでいるようですが。

“瑞姫”がうんざりするくらいクリスマスでも親密な関係を見せつける“英騎”と“亜子”。
真剣に関係を築いている2人を「所詮は高校生同士のお付き合いだろ?」と軽く見ている
“英騎”の父の意識をどうしたら改善できるか頭を悩ませる2人の葛藤がすでに夫婦の域。

ネトゲで培ったすべての要素を活用して目標を達成するため労を惜しまない姿勢には見事
あっぱれと申し上げたいところ。人生もゲームも、メインクエストの落としどころが実に
本作らしくて良いと感じました。両家つつがなく挨拶を済ませたその先の展開に注目です。

posted by 秋野ソラ at 02:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年04月15日

『86―エイティシックス―Ep.6 ―明けねばこそ夜は永く―』

シリーズ累計50万部を超える、安里アサト 先生の大人気作。第6巻はレギオンとの戦いに
身を投じる“シン”の心に燻ぶる悩み、その火種、顛末を描く「連合王国編」を結びます。
(イラスト:しらび 先生 メカニックデザイン:I-IV 先生)

https://dengekibunko.jp/product/86/321811001103.html


奇跡のような出会いを経て、エイティシックスとして頑なな言動を見せる“シン”に対し
これまで何度も歩み寄る姿勢を示してきた“レーナ”。巻を進めても報われないその想い、
正直言うと読んでいてつらかった。せっかく2人で居る時間も持てるようになったのに。

でもシリンたちの登場によって、戦うための機械になりきることもできず、所謂人並みな
生活を享受することもできず、エイティシックスとは何とも中途半端な存在だとようやく
気付きを得た“シン”が引き起こす失態。まさにあれが彼が変革していく分岐点でした。

いつ果てるかも知れぬ戦いの場にありながらそれでも生きる意味をようやく掴んでくれた。
“レーナ”が泣いて、笑って、送り出して、そして迎えるため彼に贈ったあの一言が強く
胸に響きました。Ep.7はライト、を合言葉に期待と不安を半々に抱いて次巻を待ちます。

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2019年04月12日

『俺、ツインテールになります。17』

水沢夢 先生が贈るツインテール愛あふれるシリーズ。第17巻は“エンジェルギルディ”を
打ち破って、迫るバレンタインデーに心踊らせるツインテイルズを更なる強敵が狙います。
(イラスト:春日歩 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517767


テイルホワイトとしてのトゥアールと「戦(や)りたい」と迫る“愛香”の可愛らしさと
戦闘狂ぶりの対比が面白すぎてお腹が痛いです。“総二”に対してどんなチョコを贈るか
悩んで悩んで、こじらせるあたりも彼女たちらしさを色濃く魅せてくれて実に微笑ましい。

そんなツインテイルズを襲う結婚属性と多愛属性をもつエレメリアンたち。出オチみたい
かと思えば、今の“総二”たちの関係について問いを投げかけるには十二分な戦いぶりを
魅せてくる厄介な敵で油断できません。“桜川”先生が見せる振舞いも鍵となり要注目で。

“愛香”の願望が敵の思惑で叶ってしまう展開、特撮モノとかで昔見たことのある好きな
シチュエーションで胸躍るものがありました。テイルブルーの魂が継承されてきた描写も
驚かされる中で、更に上を行く驚愕の展開にどう話を結びにかかるのか期待が高まります。

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2019年04月11日

『デート・ア・ライブ20 十香ワールド』

橘公司 先生が贈る大人気シリーズ。第20巻は精霊たちとの穏やかな日々が戻ってきたかと
思っていた“士道”らに“狂三”から告げられる衝撃の事実。運命に抗う顛末を描きます。
(イラスト:つなこ 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201103date/321803001772.html


改変された世界、その鍵を握るのは“十香”。そして最後の精霊とも言える“反転十香”と
向き合うことになる“士道”にとってはこの物語の始まりを、そして“十香”との思い出を
振り返る契機を得たと言える助言一切なしのデートを成功させられるか、緊張感が募ります。

その運命を左右するデートを支えるために繰り広げられる“十香”を除く精霊たちの大勝負。
一番になる意味があるこその心技体を尽くした名勝負の数々が、限られたページの中に凝縮
されているのが本作らしいもう一つの「デート」とも言える気がして印象深く感じられます。

断章で語られる数々のモノローグ、そして序章において“澪”が呟いた精霊に対し抱く感情。
それらをすべて受け止める終章で、大勝負を制した「彼女」の示した想いが“十香”の心を
揺れ動かしたにも関わらず間に合わなかったその刹那、覆せるのか本編最終巻に大注目です。

posted by 秋野ソラ at 02:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル