2017年03月29日

『滅びゆく世界を救うために必要な俺以外の主人公の数を求めよ2』

みかみてれん 先生が贈る救世主ヒーローバトル。第2巻は時間軸をループしていることに
気がついた“ジン”が、新たなエンディングトリガーをもたらす少年の運命に抗います。
(イラスト:森倉円 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321608000496
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880205800


「──では、我が宿命を果たそう」理由も分からぬまま刃を向けられ、殺される“ジン”。
テスケーラの街での過ごし方を変えようが、街にいることすら拒絶しようが、ループする
日々の中で何度も命を落とすジェノサイド感。本当に救いはあるのかと疑いたくなります。

街の非合法地域「第四区」。それを守る自治組織「針猫団」を率いる“ウォード”たち。
更にそこへ攻め込むという「騎士団」の存在。そして「黒衣の男」。解決の糸口が見えぬ
モヤモヤを“クライ”とのを出会いが徐々に払拭し、点と点を結んでいく展開が見所の一つ。

やがて遭遇する今回倒すべき敵に対して、今回だからこその趣向を活かして臨むバトルも
熱いものがあります。蚊帳の外っぽかった“リルネ”や“スターシア”も街の人たちと
意外な繋がりが見えて、今後にどう影響するのか気になります。あと今巻も表紙力が高い!

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年03月28日

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー』

大森藤ノ 先生の大人気作品、その物語を補完していく「クロニクル」シリーズがスタート。
第1弾は酒場「豊穣の女主人」で働く“リュー”が首を突っ込む騒動や、昔話を綴ります。
(イラスト:ニリツ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797390803.html


博打に手を出して娘の“アンナ”を借金のカタに取られた“ヒューイ”。その話を聞いた
“リュー”が人知れず救出に向けて動き出すと、やがてオラリオでも力を持つ大賭博場の
オーナーが裏で糸を引いていたと知る。潜入方法に悩む彼女に手を差し伸べたのは──。

度胸もあるしイカサマ相手にも何のそのな“リュー”ですが、「幸運の兎」に祝福されて
賭博で真の力を発揮する「あの人」の存在感が印象に残ります。もちろん、荒事を収める
“リュー”も格好良いところを見せてくれますが、それが仇となるオチがまた微笑ましい。

そんな「あの人」の凄さを更に印象づけるエピソード、“リュー”が「豊穣の女主人」で
働くきっかけとなった【疾風】としての生き様を捨てる話がまた興味深い。カジノの件も
意外に関係してくるのでご注目。こういった補完はありがたいのでぜひ続けてほしいです。

posted by 秋野ソラ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年03月27日

『キラプリおじさんと幼女先輩』

岩沢藍 先生の「第23回電撃小説大賞・銀賞」受賞作。女児向けアイドルアーケードゲーム
に心血を注ぐ高校生が女子小学生に地元トップの座を追われる所から始まるラブコメです。
(イラスト/Mika Pikazo 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892670-6/


下関にある高校へ通う“夏希”の心配の種。それは幼なじみが二次元の女児向けゲームに
嵌まって友達を作らないこと。そんな彼女の思いを他所に日々「キラプリ」を楽しむ彼が
女の子の“千鶴”とムキになって争う姿を見て更生の道を歩ませる決意をするのだが──。

都会でランカーとして名を馳せていた“千鶴”が、なぜ下関で“翔吾”の縄張りを荒らす
のか。その理由を探る余裕もなくライバルとして勝つために切磋琢磨する彼が、いつしか
彼女と気が置けない関係になっていく。その展開がコミカルで妙に熱いのがまず印象深い。

“夏希”が差し伸べた手と「キラプリ」を通じて築いた“千鶴”の小さな手。“翔吾”は
どちらを取ることになるのか。選んだ先に待つ思わぬ結末に思わず心がほっこりしました。
Mika Pikazo 先生が描く幼女先輩が可愛くて物語への没入感がまた半端ない。最高でした。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年03月24日

『ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌』

廃止寸前の図書館を守るため書評バトルに臨む図書部員の少女と訳あり少年の青春物語。
「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズのスピンオフを 峰守ひろかず 先生が綴ります。
(イラスト/おかだアンミツ 先生 原作・監修/三上延 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892755-0/


利用者数が僅かの旧図書館を廃止したい生徒会の副会長。「ビブリオバトル」のルールを
改変して行う書評バトルに勝てば再考すると聞いて勝負に出る古書好きの少女“こぐち”。
黒歴史あふれる小説ノートを見られたことが縁で“響平”は彼女に協力することに──。

ラノベやマンガ、アニメが好きなら古典作品にも楽しめる要素が多くある。書評バトルを
通じてそれを伝えてくれる橋渡し的な物語に仕上がっています。“響平”の朗読が異能の
ような描写になっていたり、“こぐち”が妙に艶めかしい所作を見せる所なども面白い。

時に“栞子”さんに助けられ、時に2人で守ってきた旧図書館も人の思いだけで抗えない
危機を迎えます。そこを稀覯本で安易に解決させない展開に感心しました。スピンオフの
作品として役割を果たす秀作でした。続きが書けそうならば、ぜひお願いしたいものです。

posted by 秋野ソラ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年03月23日

『ビブリア古書堂の事件手帖7 〜栞子さんと果てない舞台〜』

三上延 先生が贈るビブリオミステリ。第6巻は祖父が仕掛けたシェイクスピアの古書に
まつわる怨念に“栞子”が“大輔”と共に挑む、本編最後の事件。その顛末を描きます。
(イラスト:越島はぐ 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-892640-9/


祖父“尚大”の営んでいた久我山書房の番頭“喜市”。“栞子”の足元を見るかのように
嫌がらせのようなアプローチを仕掛けてくる彼が実に憎たらしい。“大輔”が荒ぶるのも
よく分かるのですが、他に術もなく誘導されるがままとなる彼女の立ち位置がもどかしい。

やがて迎える、“尚大”が“智恵子”のために用意した試験の再来に、母と対峙する形で
臨む“栞子”。札入れの緊迫感もさることながら、見守るだけかと思っていた“大輔”が
男を見せてくれました。更に“栞子”が“喜市”の思惑を超えた時は溜飲が下がりました。

“栞子”と“大輔”の仲についても“智恵子”からありがたい言葉をもらい、エピローグ
でも二人らしい節目を迎えてくれて喜ばしい限りです。本編としては区切りがつきますが
峰守ひろかず先生のスピンオフ作品も出ますし、別視点の話もあるそうなので楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル