2019年03月25日

『あの日、神様に願ったことは I kiss of the orange prince』

『Hello,Hello and Hello』の 葉月文 先生が贈る新作は、四季折々で色を変える奇跡の花
にまつわる言い伝えを巡って試練を与えられた少女と、それに関わる少年の青春を描きます。
(イラスト:フライ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/kamisama/321808000003.html


上代神社に咲くミラクーティアは一年に一度、対価を払った者の願いを叶える逸話がある。
諦めたある願いを胸に抱える“叶羽”はその花を苦々しい思いで見つめる。その先に涙を
流す高校の先輩“燈華”を見咎めて、声をかける所から甘くほろ苦い物語が動き出す──。

姉のために写真を撮り続けた“叶羽”。彼の写真に願いを叶える鍵を見い出した“燈華”。
彼女の思惑を知ってもなお、むしろ知ったからこそ離れていた写真と再び向き合っていく
彼の心境の変化は驚くと共に称賛に値するものがあります。離れた経緯を知ったからこそ。

その想い届かず、試練を乗り越えられない“燈華”を襲う最悪の結末。その兆しに対して
抗う“叶羽”が掴んだ起死回生の一手が2人で見たあの風景に繋がっていく話運びは圧巻。
対価と試練の違い、タイトルに繋がる「彼女」の願いに巻き込まれる彼の健闘を祈ります。

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2019年03月22日

『公女殿下の家庭教師2 最強剣姫と新たな伝説をつくります』

七野りく 先生が贈る無自覚規格外な教師の魔法革命ファンタジー。第2巻は王立学校に
入学を果たした“ティナ”たちの前に“アレン”の腐れ縁たる“リディヤ”が登場します。
(イラスト:cura 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321809000757
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884195461


あとがきで先生が触れられている通り、キャラが立ちまくっている“リディヤ”。彼女が
出張れば“アレン”について回る“ティナ”たちは歯が立たないことを見せつけられます。
あれだけ容姿端麗で、“アレン”対して見せる強さと弱さのギャップたるや、もう反則級。

今巻は“リディヤ”の魅力を存分に描写すると共に彼女と対等に渡り合える“アレン”の
桁違いぶりも子供らに教える立場として改めて披露してきます。そこにますます惚れ込む
“ティナ”たちの先生争奪の駆け引きも激しさを増してきて何とも微笑ましいばかりです。

とある人物の横暴ぶりから思わぬ決闘が繰り広げられたかと思えば大技連発の大バトルに
繋がっていくあたりで、“アレン”と“リディヤ”の絆の強さが十二分に示されました。
それを目の当たりにした“ティナ”が決意表明した内容を実現できるか注目したい所です。

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2019年03月21日

『君がいた美しい世界と、君のいない美しい世界のこと』

神田夏生 先生が贈る新作は、死に別れたと彼女もう一度会うため、届いた手紙に書かれた
「リセット」の秘密を求めて思い出を辿る旅に出る少年の恋愛模様とその顛末を描きます。
(イラスト:Aちき 先生)

https://dengekibunko.jp/product/321810000124.html


「運命をリセットできる不思議なチカラがこの世界にはある」。高校を卒業した“日野”が
卒業式に出られずこの世を去った“三日月”から手紙で力説され“クレセント”なる人物に
「セカイの謎」を解く必要があると告げられる。行くべき場所に彼は同行すると言うが──。

言動が強烈で変わり者の“三日月”と“日野”が出会ったところから始まって、急速に恋に
落ちていく2人の楽しい日々の情景を挟みながら、「このセカイで最も綺麗なもの」を探す
旅の行程を綴り、彼女の居ないつらい“日野”の新たな日常が描かれるのが対称的で切ない。

自分のことを理解してくれた“日野”に対して全身で見せる“三日月”の激情がいじらしい。
だからこそ「リセット」という言葉に乗せた“三日月”の想いが潔くてまた実に彼女らしい。
死を目前にした彼女が示した覚悟、それを受け止めた彼。両者の生き様を見届けてください。

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2019年03月20日

『キミの忘れかたを教えて2』

あまさきみりと 先生が贈る大人の青春物語。第2巻は“鞘音”と“修”の新たな活動を
後押しするためのイベントに携わる女性のもどかしくて切ない恋模様に触れていきます。
(イラスト:フライ 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/321810000384.html


SAYANEとして改めて活動する“鞘音”を後押しするため、病床の身ながら無理を押して
あれこれ手を打つ“修”。焦る彼を見て気が気でない彼女が寄り添う様子が良い雰囲気。
一度は断った地元のゆるキャラ「さやねっこ」を担うと決めるあたりもまたいじらしい。

地元での協業を提案してきたのが観光協会に勤める“三雲”。“エミリィ”らの楽しい
生活風景を目にする彼女が何を思うのか。今回のメインとなるスノーランタンフェスに
纏わるエピソードを交えて語られる例え話がこれでもかと言うくらい切なくて切なくて。

“三雲”の想いに苦さを感じる一方で、再び動き始めた2人の時間を噛みしめ堪能する
“鞘音”と“修”。こちらは幸せしかないのかと思えば、“修”の焦りが別の意味でも
内面でくすぶっており不安要素は拭えず、一筋縄ではいかない恋物語になりそうです。

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2019年03月19日

『魔術破りのリベンジ・マギア 6.九尾の権能と鬼哭の獣』

子子子子子子子 先生が贈るハイエンド魔術バトルアクション。第6巻は思いがけず大和へ
帰郷することになった“晴栄”が“狐狼丸”とのつながりについて改めて向き合います。
(イラスト/伊吹のつ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/830.html


学園のとある思惑に乗せられる形で帰省した“晴栄”がまず訪れたのが探偵“岩井三郎”。
彼女からも指摘される“晴栄”の変化。随分と穏やかになった“晴栄”を土御門の面々も
感じる中、復讐という執念で繋がった“狐狼丸”がそれをどう捉えるかが焦点となります。

決別の道を選ぶ“狐狼丸”、その契機を与える白面金毛九尾の狐“九曜”に纏わる逸話の
数々にまず惹き込まれます。そして対峙する“晴栄”と“狐狼丸”。なぜ戦わなければ
ならないのか、その局面を真摯に受け止める2人の命を懸けたやりとりが見どころの一つ。

圧倒的な強さ、更に狡猾な面も見せる“九曜”を“晴栄”は止められるのか。思いがけず
手を貸してくれる存在に驚かされつつ、“三郎”が指摘した土御門家の不穏な空気が実に
気になります。“ティチュ”も目を付けられているようですし、その動向は要注視です。

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2019年03月18日

『魔法使い黎明期2 魔力屋さんと恋の予感』

タツヲ 先生による漫画連載が開始予定となる、虎走かける 先生が贈る本格ファンタジー。
第2巻は魔力屋として活動を始めた“セービル”が再び陥る退学の危機に葛藤を続けます。
(イラスト:いわさきたかし 先生 一部キャラクター原案:しずまよしのり 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2019/3/#bk9784065153772


“ホルト”や“クドー”は村人の役に立とうと自分の能力を活かして切磋琢磨していく中、
“セービル”は魔力屋として待ちの姿勢で、村人と交流を図ろうとしない。それに苦言を
呈される彼は自身の将来像を模索します。そのカギを担うのが村の子供“ライオス”です。

自分の未熟さゆえに“ライオス”を命の危機に晒してしまう“セービル”が、だからこそ
変わりたいと決める姿に成長を感じて心温まります。そこへ村に仕掛けられる罠の数々と
思いがけない闖入者が“セービル”たちを、そして“ゼロ”たちを引っ掻き回してきます。

“セービル”の本質に対してあれこれ言及する“ゼロ”。彼女もまた色々抱え込んでいて
心配になる一方で、彼に訪れるとある大きな変化。心配して寄り添う“ホルト”も戸惑う
感情の吐露に読者としても驚きを隠せません。向けられた相手がどう反応するか注目です。

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2019年03月15日

『チアーズ!4』

せうかなめ 先生のコミックスと同時刊行となる、赤松中学 先生が贈る汗と涙の青春活劇。
第4巻は“沙織”がなぜチアーズのコーチを務めるのか、過去を振り返りながら描きます。
(イラスト:こぶいち 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/cheers/321810000838.html


かつてチアーズの黄金時代を築いた“百愛”と“沙織”。“沙織”はコーチとして実績を
築きつつプロを目指す“百愛”の後を追う道を選ぶ。そこで直面するチアリーダーという
仕事の厳しい現実と不条理を目の当たりにする彼女と共に読み手としても絶句するばかり。

“千愛”たちを無視し続けてきた“沙織”の覚悟。チアに全身全霊を懸けてきたきたから
こその態度だと分かってからの彼女の印象が一変する感覚は今巻イチの見所ではないかと。
教え子たちからチアスピリッツを教わったと嘯く“沙織”が見せるコーチングが熱いです。

サマーキャンプを通じて大幅なレベルアップを見せていくチアーズの面々を盗み見ている
“リエ”の意地の悪さがいよいよ“白亜”へ届いたとき、不動のエースは何を思うのか。
クィーンズに勝つ一縷の望みをチアーズは活かせるか、迫る県大会の行方が気になります。

posted by 秋野ソラ at 02:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル