2017年02月24日

『トラックに轢かれたのに異世界転生できないと言われたから、美少女と働くことにした。』

日富美信吾 先生が「講談社ラノベ文庫」から贈る新作は異世界転生をテーマにした物語。
異世界転生できる、と思った少年が味わう挫折と思わぬ方向に這い上がる顛末を描きます。
(イラスト:こもわた遙華 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2017/2/#bk9784063815795


ラノベやネット小説がとても好きな少年“志郎”が突然の死から目覚めて出会った美少女は
第1転生課の職員“フィリア”。思い描いた場面に直面し夢が叶ったと浮かれる彼に彼女は
告げる「あなたは確かに転生できるわ。でもね、転生できないの」ってどうゆうこと──?

理想の転生を叶えるための条件を前にこれまでの生き様を問われた“志郎”が、悔いのない
転生ライフを支援する“フィリア”の熱意に刺激され第1転生課の臨時職員として働く様子
が次第に周囲の好感を集めていく話運びが軽妙。こもわた 先生が描く挿絵も可愛らしい。

“フィリア”をライバル視する“ウィルゴ”が第2転生課を立ち上げて、課の存続の危機に
立たされる彼女を見て“志郎”がどう動くのか、それまでの成果の集大成をぜひご覧あれ。
思わせぶりな引きを見せてくるあたりシリーズ化は狙っていると思うので続刊に期待です。

posted by 秋野ソラ at 00:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年02月23日

『公爵令嬢は騎士団長(62)の幼妻 3』

筧千里 先生が「小説家になろう」にて発表していた、歳の差ラブロマンス作品の書籍化。
第3巻は決闘騒ぎからいよいよ嫁宣言をもらう“キャロル”に過酷な試練が待ち受けます。
(イラスト:ひだかなみ 先生)

http://kadokawabooks.jp/product/124/
http://ncode.syosetu.com/n4472cw/


“アンドリュー”からの度重なるアプローチにも動じず、壁ドンされても「騎士の誓い」
を盾に“ヴィルヘルム”への愛を貫く“キャロル”。ついに決闘を申し込まれた騎士団長
が照れを隠しながら彼女のことを婚約者と口にする様子、挿絵と共に微笑ましいものです。

いよいよ初デート、と“キャロル”が浮かれる様子を様子を描く流れでお国の事情が垣間
見えるあたりの流れも素直。だからこそ愛しの人が傍にいないことへ気丈に構える様子も
違和感なく受け入れられます。そんな彼女に仕向けられる追い打ちも実に分かりやすい。

医学知識があるだけに分かってしまう、“ヴィルヘルム”の置かれている状況。ここまで
耐えた“キャロル”でも流してしまう涙が、ひだかなみ 先生の挿絵と共に印象に残ります。
二人に幸あらんことを、ということで彼女の健気さが素敵な恋愛作品、堪能いたしました。

posted by 秋野ソラ at 00:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年02月22日

『おめでとう、俺は美少女に進化した。』

和久井透夏 先生の第1回カクヨムWeb小説コンテスト(恋愛・ラブコメ部門)特別賞作品。
女装趣味が高じて有名女性コスプレイヤーとなった男性大学生の秘密多き人生を描きます。
(イラスト:みわべさくら 先生)

http://kadokawabooks.jp/product/120/
http://ncode.syosetu.com/n2452df/
https://kakuyomu.jp/works/4852201425154910711


詐欺写真のつもりで上げた女装写真が思いのほか好評で女性コスプレイヤーとして活動を
始めた“将晴”。両親の再婚で出来た双子の妹弟にも内緒で続ける女装姿を見せつけた
友人の“稲葉”から彼女のふりをしてくれ、と懇願される所から物語は動き始めた──。

妹“優奈”と弟“優司”との繋がりが、“将晴”の場合と女装姿“朝倉すばる”としての
場合で異なることに“将晴”が苦悩する・・・どころの騒ぎじゃないくらい振り回されていく
彼というか彼女というか、の人生に思わず合掌。ですが、身から出た錆なので仕方がない。

“将晴”に関わっていく人たちの性的嗜好が幅広いところも本作のポイント。男女問わず
言い寄られ、やっかみを受ける彼はどこへ向かうのか。引き際を失うほどに高まっていく
“すばる”としての有名度と共に深刻化するバレた際の危険度と合わせて注目したいです。

posted by 秋野ソラ at 00:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年02月21日

『蜘蛛ですが、なにか? 5』

馬場翁 先生が「小説家になろう」で公開していた迷宮サバイバル・ストーリーの書籍版。
第5巻は地上で過ごす“蜘蛛子”が人や転生者との関わり合いで世界に影響を及ぼします。
(イラスト:輝竜司 先生)

http://kadokawabooks.jp/product/125/
http://ncode.syosetu.com/n7975cr/
http://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_KS11000007010000_68/


“蜘蛛子”が助けた赤子が“ソフィア”こと“根岸彰子”、すなわち自分と同じ転生者で
あり、しかも吸血鬼だということで羨みつつも守護する形に。それも街ごと。やがて神と
崇められ国同士の戦争にも介入する始末。故に魔王“アリエル”にも目を付けられる訳で。

一方、勇者サイドもエルフの里を部隊に因縁の対決が勃発。エルフや“岡”先生に対する
不信感もその根幹がようやく見えてきました。“ユーゴー”も強烈な強さで圧倒するかと
思えば上には上がいることも分かりました。管理者側も同様。混迷としてまいりました。

魂すら消滅させる深淵魔法にも対抗策を見せた“蜘蛛子”の何でもアリ感に驚かされつつ
ついに彼女の本名と級友たちとの関係も判明。いよいよ物語が交差してきて物語が動く先
もさらに読みきれない所から彼女の並列意志が想定外の行動に。引き続き目が離せません。

posted by 秋野ソラ at 00:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年02月20日

『86―エイティシックス―』

安里アサト 先生の「第23回電撃小説大賞・大賞」受賞作。帝国の無人兵器に苦しめられる
共和国が対抗策として開発した同型兵器に隠された偽りに翻弄される少年少女を描きます。
(イラスト/しらび 先生 メカニックデザイン/I-IV 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892666-9/


高性能無人機を戦場へ送り出すことで戦死者ゼロの国防を実現した、と喧伝する共和国。
実状は銀髪銀瞳の先住民が暮らす85ある行政区の外に追いやられ劣等生物と侮蔑される
有色種「エイティシックス」と呼ばれる人たちが無人機に乗り兵役に就いていた──。

無人機部隊を指揮する“レーナ”が共和国の「怠慢」を何とかしようと血気盛んになるが
精鋭部隊を率いる“シン”たちとの交流から認識の甘さを痛感させられ、ある契機を元に
仲間になれるかと思えば彼らに課せられた「期待」に絶望する。その過程が壮絶なドラマ。

パーソナルネームの付け方、帝国の無人機「レギオン」との因縁、“シン”たちがたどり
着いた先。見届けるしかなかった“レーナ”にかけられた最後の一言。すべてが繋がった
あの瞬間に圧倒される読了感は皆さんにも体験してほしい。映画化にも耐え得る作品です。

posted by 秋野ソラ at 00:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル