2023年01月27日

『神さま学校の落ちこぼれ 2』

日向夏 先生が贈るスピリチュアルスクールドラマ。第2巻は未だ謎な“ナギ”の神通力
を探る惟神學園の面々、超自然学派の思惑に彼女自身がどう向き合うかを描いていきます。
(イラスト:赤瓦もどむ 先生 制作協力:花とゆめ編集部)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2022/12/27-post-kamisama-2.html


“ツクヨミ”と“ガラン”、それぞれのアプローチで気付いた“ナギ”の神通力の稀有さ。
相談するのも躊躇われる“祖父江”の存在感が面白い。あと“ツクヨミ”のあの例え方が
コミュニケーション能力のなさを如実に表していて苦笑い。それにしても若すぎです、彼。

“ナギ”と“ツクヨミ”に興味津々な“ゴロウ”と“オルハ”、特に“オルハ”の強かで
狡猾なアプローチにやや嫌悪感を抱きそうになる所を体育祭や遊園地で「スサノオ会」が
接触してくる顛末の中で払拭してくれる構成に好感触。“ゴロウ”の胡散臭さもポイント。

“スサノオ”と“ツクヨミ”の会話から窺える、異なる未来の可能性。“猫田”の言動に
見られる一枚岩な「スサノオ会」の間隙。前巻から続いて衝撃的な事実を突き付けられる
“ナギ”を応援しつつ、“スサノオ”が何を視ていたのかを次巻以降で探りたいものです。

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2023年01月26日

『男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 6. じゃあ、今のままのアタシじゃダメなの?』

七菜なな 先生が贈る青春〈友情〉ラブコメディ。シリーズ7冊目は恋人関係になった
“悠宇”と“日葵”が今までの夢を追う熱量を失っていくことで生じる葛藤を描きます。
(イラスト:Parum 先生)

https://dengekibunko.jp/product/danjoru/322205000046.html


恋人では運命共同体になれない。“咲”や“雲雀”からの厳しい指摘に抗おうと両立を
図る“悠宇”と“日葵”の行動がちぐはぐな結果に結びついていく展開が実に痛々しい。
特に彼女が「夢のパートナー」の座を明け渡した意味を掴みきれていない言動がつらい。

文化祭で催すアクセサリー販売会。その一部始終を経て“悠宇”が抱いた違和感の根源
に気付く流れからも八方塞がりな雰囲気ばかりで、事態を好転させる明るい要素がない。
犬塚家の強烈な面々とか、“慎司”と“雲雀”のやり取りなんかはコミカルなんですが。

“悠宇”の「夢のパートナー」になりつつある“凛音”の姿に打ちひしがれる“日葵”。
今回登場した“芽依”の考え方やセンスに悪い刺激を受けてただ絶望に暮れる“悠宇”。
自分勝手な2人を他所に株を上げ続ける“凛音”の本気が物語をどう動かすか注目です。

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2023年01月25日

『見上げるには近すぎる、離れてくれない高瀬さん2』

神田暁一郎 先生が贈る身長差ラブコメ。第2巻はサッカー部で研鑽を重ねる“下野”が
思いがけない縁に恵まれる顛末と、その動向を気にする“高瀬”の繊細な機微を描きます。
(イラスト:たけの このよう。 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815616311/


“下野”がサッカー部の女子部員“今朝丸”に気に入られてから醸し出す仲良しムードに
あてられて、ついむきになって「一番」を確かめに来る“高瀬”のなんと初々しいことか。
何気に“今朝丸”とラッキースケベな場面を味わっている彼がうらやまけしからんワケで。

サッカーが上手くなりたい、と願う“下野”が“今朝丸”の所属する女子サッカーチーム
でお世話になる“魚見”。現在より一歩先の自分を目指して努力する、彼のひたむきさに
惹かれていくスポーツ少女の変わりゆく様子がまた可愛らしい。彼は罪作りな少年ですな。

吹奏楽部が参加する音楽フェスで大役を任されることになる“高瀬”の晴れ舞台と重なる
“下野”のイベント。ふとした日常の風景において思い浮かべる陰影、追いかける目線の
先にいてほしい誰かを見定めた彼の選択に間違いはない、そう信じさせてくれるお話です。

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2023年01月24日

『陽キャになった俺の青春至上主義』

持崎湯葉 先生の「第14回GA文庫大賞・金賞」受賞作。高校デビューで陽キャに転じた
少年が陰キャな人々から好意を寄せられまくる、陰陽混合ネオ・アオハルコメディです。
(イラスト:にゅむ 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815618667/


中学時代に味わった異性への苦い思い出を糧に、努力を重ねて陽キャとなった“橋汰”。
ある日を境にクラスの陰キャ女子“遊々”から恋心を抱かれた彼は、好きな少女漫画の
キャラっぽくピンク髪のギャル風にイメチェンしてきた彼女に度肝を抜かされるが──。

“宇民”や“龍虎”も同様に気づかうことで「ラブコメの匂い」を漂わせることになる
“橋汰”の想定外なモテっぷりがまず面白い。彼にとっての本命である“カエラ”との
こそばゆい距離感にはニヨニヨさせられます。ここまでは陽キャを謳歌している風です。

本作の注目点は、陰キャと自分を卑下する“遊々”に心から救いの手を差し伸べるには
どうすればいいか。陽キャとは何か、陰キャとは何か、“橋汰”が自身の経験も踏まえ
選んだその手の行方を、ぜひ見届けてほしい作品です。晴々とする読了感、お試しあれ。

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2023年01月23日

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件8』

1月からTVアニメ放送を迎えた、佐伯さん 先生が贈る甘く焦れったい恋の物語。第8巻は
“真昼”とのお泊りイベント発生で“周”が抱く彼女への想いと覚悟を改めて問われます。
(イラスト:はねこと 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815615963/
https://otonarino-tenshisama.jp/


ゼロとイチの境界線。それを越える意味と責任に“周”が真面目に向き合い続けている。
その覚悟を父“修斗”も受け止める準備ができている点が素晴らしくて。その時までに
「“真昼”へのプレゼント」を目標を据えるあたり、幸せオーラにあてられまくりです。

アルバイト先として選んだ喫茶店のオーナー“文華”もなかなか興味深い人物でしたが
やはり気になるのは先輩の2人、“大地”と“莉乃”の関係性を見守りたくなるところ。
出会ってすぐの“周”ですら察してしまうあたり、根が深すぎて空恐ろしくもあります。

“周”の隠しごとに気を揉む“真昼”の姿も可愛らしいものですけど、彼女から彼への
お返しとばかりに秘密にし続けていた「あれ」によってもたらされる笑顔の眩さたるや。
彼なりの愛情表現にも微笑ましいものを覚えながら、次巻もニヨニヨしたいところです。

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2023年01月20日

『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います6』

香坂マト 先生が贈る、かわいい受付嬢がボスと残業を駆逐する異世界コメディ。第6巻は
待望の長期休暇を目前に高揚する“アリナ”へ大量の残業と偽「処刑人」の影が迫ります。
(イラスト:がおう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/uketsukejo/322209000244.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM05202336010000_68/


「立っている者は親でも使え」と故事にもあるとおり、溜まった業務を処理するためなら
“ナーシャ”だろうが偽「処刑人」だろうがこき使うのが“アリナ”。コメディ枠として
すでに定着した様子の“ナーシャ”に加え、偽「処刑人」の真意が読めないのが興味深い。

“シュラウド”は生きているのでは、という疑念を晴らすため“アリナ”が一時帰郷する
顛末では彼女の弟“アシュリー”の意思表示に思わずニヨニヨ。“ジェイド”も万事休す。
物語にも関わってくる存在で、今後の振舞いに注目、というか期待したい存在と言えます。

白銀のメンバーも虚仮にする強敵の登場に、“シュラウド”の死の真相に“アリナ”共々
驚かされっぱなしで、しかもまだまだ話し足りない【大賢者】の思惑も俄然、気になる所。
“シュラウド”の墓参りで一区切りつけた“アリナ”がどう動くのか、次巻も楽しみです。

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2023年01月19日

『声優ラジオのウラオモテ #08 夕陽とやすみは負けられない?』

TVアニメ化が決定した、二月公 先生が贈る青春声優エンタメ。第8巻は“乙女”率いる
「アルフェッカ」に挑む“夕陽”と“やすみ”がチーム内の結束と質の向上を図ります。
(イラスト:さばみぞれ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/322207000036.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM01201629010000_68/


「オリオン」のリーダーを“夕陽”と“やすみ”のどちらにするか。お互いを信頼する
彼女たちらしい決め方から、思わぬ共同生活へと突入することによる絆の深まり具合に
思わず心温まるものを感じます。しっかりセクハラするところは抜かりなく素晴らしい。

「アルフェッカ」に勝ちたい。その想いに水を差すアイドル声優の仕事に対する忌避感
を示す“纏”に納得してもらうための材料が、“やすみ”の雑談の中にあったり、似た
感情を持つ“夕陽”の変遷の過程にあったりする所も2人の経験が活かされていて素敵。

アイドル声優をやっていてよかった。“やすみ”が“夕陽”に抱いてほしかった気持ち
を思いがけない場面で実現させる、あのアドリブ。「本当に嫌い」と“夕陽”が呟いた
その言葉尻に様々な気色が窺えて、感無量と言える結末。続く展開にも目が離せません。

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2023年01月18日

『春夏秋冬代行者 暁の射手』

暁佳奈 先生が贈る、四季を顕現する者たちに纏わる物語。シリーズ第5巻は大和に朝を
もたらす「暁の射手」を担う少女“花矢”とその従者“弓弦”に関する逸話を綴ります。
(イラスト:スオウ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/syunkasyuutou/322207000042.html


“弓弦”が傍らにいる安寧と、守り人として彼の未来を縛っているのではと憂う“花矢”。
“花矢”に現人神の役割を負わせる責と、彼女に尽くすことにやりがいを感じる“弓弦”。
お互いを気遣うが故に、2人の間に横たわる溝が埋まらない関係の何ともどかしいことか。

朝をもたらす“花矢”と“弓弦”、2人だけの日常が崩されたらどうなるか。残された者、
家族を含めた反応の一つ一つが生々しくてつらい。「暗狼事件」の顛末が殊の外、今回の
事案に絡んでくる布石のような話運びが印象的で、特に“慧剣”の言動には驚かされます。

再び「日常」を取り戻すために、今回も代行者たちが力を合わせる展開には絆の深まりを
感じます。中でも“撫子”が暁と黄昏の射手たちにも敬意を表す場面は胸が熱くなります。
だからこそ“蒼糸”の粋な計らいには思わず笑みが零れるというもので。次巻も注目です。

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2023年01月17日

『わたし、二番目の彼女でいいから。5』

西条陽 先生が描く少年少女の不健全な恋愛模様。第5巻は“早坂”と“橘”の傍を離れ
京都に移り住んだ“桐島”が鬱屈しながらも新たな人間関係を築く大学生編に突入です。
(イラスト:Re岳 先生)

https://dengekibunko.jp/product/nibanmenokanojo/322207000044.html


エーリッヒ・フロムの著書『愛するということ』によると、その本質は「与えること」に
あるという。自罰的に大学一回生を過ごす“桐島”が、アパートの隣室に住む“福田”の
優しさに救われてから「これからは自分も与えるものになろう」と心を入れ替えるが──。

やはり“浜波”の常識的なツッコミがないと話が始まらないですな、と再認識する読了感。
“遠野”に思いを寄せる“福田”を後押しする“桐島”の言動に騙されそうになる展開を
後出しジャンケンで“桐島”が色々やらかしているのがわかる話の構成にはお見事の一言。

“宮前”に対する布石もいつの間にか済んでいて、京都でもトラブルが絶えない“桐島”。
東京に残された“早坂”と“橘”が不憫でならない、という感情もないまぜにするような
怒涛の引きに、早くも波乱万丈すぎて怖いもの見たさな続刊が待ち遠しくてたまりません。

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2023年01月16日

『不可逆怪異をあなたと 床辻奇譚』

古宮九時 先生が贈る新作は、命に関わる禁忌と怪異が蔓延る地方都市で、凄惨な事件に
巻き込まれた妹を救うべく闘い続ける少年の数奇な運命と出会いを描く現代伝奇作品です。
(イラスト:二色こぺ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322209000254.html


妹の“花乃”が自室に籠るようになって半年、“蒼汰”が登校後に目にした血塗れの校舎。
謎の人物からの電話をもとに教室へ向かうと家にいるはずの彼女がそこに、生首だけ在る。
電話越しに「この街の怪奇を百体滅ぼせば、体を取り戻す機会が来る」と言われるが──。

「血汐事件」を境に次々と変わっていく“蒼汰”の生活、床辻という街、そして日本全土。
『床辻に住むと早死にする』と流布されるのも得心がいく怪奇現象の数々に驚かされつつ、
そんな状況でも妹のために孤軍奮闘する彼の妙な逞しさと勢いの良さに惹かれていきます。

“蒼汰”が渦中に出会う、あの明朗快活な“一妃”を「人でなし」と評価せざるを得ない
話の運び方は「流石は古宮先生」と言うほかなく。彼女のお家事情にも巻き込まれた彼が
望む未来に、「床辻 よい街」と真に思える現実に辿り着くことを祈りつつ続刊希望です。

posted by 秋野ソラ at 00:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル