2018年04月24日

『ぼくたちの青春は覇権を取れない。 -昇陽高校アニメーション研究部・活動録-』

有象利路 先生の「第24回電撃大賞」最終選考作品。いまは3人だけど伝統のあるアニ研。
生徒会に目をつけられ廃部が危ぶまれる部を舞台に繰り広げられる様々な青春を描きます。
(イラスト/うまくち醤油 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893786-3/


「わたしが観たいアニメが何なのかを、わたしに、教えて欲しいの」校内で有名な美少女
“岩根”からお願いされるアニ研の“坂井”。教室内の誰とも滅多に喋らない彼女の話を
早速、部長の“阿仁田”に相談してみると話は思いがけない方向へ動いていくことに──。

まずは研究部の存続を目的として新入部員の獲得に臨む“坂井”が、アニメをきっかけに
女生徒を引き入れる展開で時に面白く、時にシリアスに魅せてきます。“岩根”の不器用
すぎるコミュニケーション能力に共感できる所はありますが、付き合う彼は大変そうです。

後半はアニメを目の仇にする生徒会長から問答無用で廃部を言い渡されるアニ研部員らが
起死回生の一手として探す「伝説の自主制作アニメ」が思いがけない人間模様を描きだす
意外性あふれる結末は必見。アニメを観ることに特化した学生らしい青春をぜひご覧あれ。

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2018年04月23日

『数字で救う! 弱小国家2 電卓で友だちを作る方法を求めよ。ただし最強の騎兵隊が迫っているものとする。』

長田信織 先生が贈る異色の数学ファンタジー。第2巻は財政再建を目指す“ナオキ”らが
巨額の出費が続く西方戦線に目をつけ、終結に乗り出す所で新たな騒動に巻き込まれます。
(イラスト/紅緒 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893796-2/


西方戦線を預かる“ソアラ”の従兄“ライアス”。「王家とはかくあるべき」と感情論で
彼女に相対する彼の相性の悪さに思わず同情。彼に仕組まれて彼女とは別に多忙な日々を
送る“ナオキ”が急遽雇った助手“テレンティア”が今巻の物語で鍵を握る形になります。

西方戦線の終結には程遠い“ライアス”の施策に業を煮やした“ソアラ”が理詰めで彼を
問い詰めていく様子は胸をすく思いがするものの、彼にも思う所があると知ってしまうと
憎めない気がするのが不思議。コミュニケーション・エラーが為せる関係、ということで。

それにしても、溜めに溜めての153ページからのアレは今回のハイライトと言っても良い。
“テレンティア”との「絡み」も要所でコミカルな場面もシリアスな展開も魅せてくれて
面白い。CHARTMAN氏の協力を受けて進化した「あの関数」も注目。続刊に期待してます。

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2018年04月20日

『グランクレスト戦記10 始祖皇帝テオ』

水野良 先生が贈る大戦記ファンタジー。第10巻は皇帝に即位しまとまりつつある“テオ”
たちに揺さぶりをかけてくる魔法師協会。皇帝聖印は為せるのか、最後の戦いを描きます。
(イラスト:深遊 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321711001090


エーラムでの攻城戦にて“アレクシス”と“マリーネ”が共同戦線を張る展開は胸を熱く
させるものが。他にも“ラシック”や“ペトル”のエピソードで脇を固めてくるあたりも
見所と言えましょう。そして聖女と呼ばれた“プリシラ”が見せた信念には心から敬服を。

「混沌の時代を終わらせてはならない」とする“パンドラ”、そして魔法師協会の理念。
“フベルトス”が示したその本質には“テオ”や“シルーカ”と同様、驚きを隠せません。
その理念も今や世界中の現在と未来を思う彼らの信条を覆せる訳がないのはお察しの通り。

“ディミトリエ”の出番、そして彼が辿る意外な末路も時代の流れを象徴するかのようで。
大講堂の奇跡を成し遂げてから7年、エピローグで思いを馳せる“テオ”や“シルーカ”
2人の姿に、そして壮大な戦記を無事に完結させた 水野 先生には感謝の念が絶えません。

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2018年04月19日

『美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!!3』

春日部タケル 先生が贈るクリエイターたちの熱血ラブコメ。第3巻は新作も発売前重版を
決める“天花”に身バレの危機、更には“清純”との恋愛が噂され2人共に窮地を迎えます。
(イラスト:Mika Pikazo 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/million-seller/321709000479.html


告白シーンと誤解した“天花”へのフォローもないまま、“清純”への想いを膨らませる
“ソレイユ”のツンデレが止まらない。作家として報われつつある“ひよこ”も遅ればせ
ながら胸の内に気付いてしまったり、恋の勝負では足踏みする“天花”が中々に不遇です。

ネット生放送「なますに!」・・・もとい「なまさん!」に“ソレイユ”が出演する展開を
活用して内情を披露するあたりからも 春日部 先生らしい攻めの姿勢が見受けられます。
そしてこの展開が意外にも“天花”と“清純”の危機を救うことになるのがまた面白い。

“天花”らに降りかかる危機と時を同じくして、彼女を潰そうと息まく“文子”に出会う
“清純”。彼女の作家としての可能性も感じる点に戸惑う彼を更に上回る驚きの事実にも
ご注目。エピローグで見せる引きが色々と不穏で次巻は特に目が離せない予感がします。

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2018年04月18日

『ジャナ研の憂鬱な事件簿3』

酒井田寛太郎 先生が贈る日常系ミステリー。第3巻は“真冬”の曾祖父が残した遺言の謎、
“啓介”が手伝う祭で起こる事件、そして学校行事を通して認識する彼の怖さに触れます。
(イラスト:白身魚 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517262


「自画像・メロス」。「メロスを捨ててくれ」という言葉に託された曾祖父の切なる思い。
人格者として認識され、そして利用されてきた曾祖父の過去を推し量る“啓介”の慧眼に
相変わらず驚き、そして感謝の気持ちを示す“真冬”の複雑な胸の内はまだ朧げなままで。

「鬼の貌」。伯父の寺院で行われる「女子隠し」の逸話に倣うかのように山中で女の子が
行方をくらます報告が挙がり、調査に乗り出す“啓介”たち。彼が役として務めた鬼とは
異なり今の世にも鬼が出る、という事実に怒りを示す“絵里”の姿が強く印象に残ります。

「怖いもの」。高校の「文化部発表会」で手品を披露することになった“ユリ”が窮地に
陥る様子を見て過去の事件を思い出し、そして自身の「怖さ」に気付いた“啓介”。更に
彼への想いを認識した“真冬”の胸中に気付けるか。大いなる課題の解決が待たれます。

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