2019年06月19日

『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』

二丸修一 先生が贈る新作は、幼なじみの少女に好意を抱かれつつ、初恋の女の子へ想いを
募らせる少年が、相手に彼氏ができたと聞き幼なじみと結託する顛末を描くラブコメです。
(イラスト:しぐれうい 先生)

https://dengekibunko.jp/product/321812000887.html


文学界の登竜門となる賞を受賞し現役女子高生作家として活躍する“白草”。彼女の作品を
読み感動した“末晴”は、直接その感情を伝える。彼女が見せた笑顔に恋心を募らせた彼は
高校の「告白祭」でアタックを試みるが、幼なじみの“黒羽”から不穏な話を耳にする──。

親の七光りで俳優デビューした“阿部”と交際を始める“白草”に対する復讐を“末晴”に
持ち掛ける“黒羽”の「親友」という立ち位置が物語を進める中で絶妙な効果を上げてくる
のが面白い。“白草”が冒頭で彼に見せた笑顔の意味も、興味深い要素として見逃せません。

諦めたくても諦めきれない、そんな想いを錆びついた武器一つで相手にどう叩きつけるのか。
“末晴”の意外な生き様と「告白祭」での思いがけない結末はラブコメの真骨頂として必見。
本当に幼なじみは絶対に負けないのか、続きを読ませてほしいと思えるオススメの作品です。

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2019年06月18日

『ふしぎ荘で夕食を 〜幽霊、ときどき、カレーライス〜』

村谷由香里 先生の「第25回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞」受賞作。おんぼろな
シェアハウスで大学生活を送る青年がちょっと不思議で、そして切ない出来事に遭遇します。
(イラスト:ゆうこ 先生)

https://mwbunko.com/product/321812000048.html


「深山荘」に下宿する“七瀬”は大家の孫娘“夏乃子”に仄かな感情を抱きつつ、同居人
たちと穏やかな日々をすごしていたが、ある日、下宿先にまつわる幽霊の噂話を耳にする。
そんな折、夜更けに窓の外へ何かの気配を感じた彼は幽霊の視線と目が合ってしまい──。

“児玉”が見せる特殊な嗜好もアレですが、新しく引っ越してきた“沙羅”も意外な一面
を、それを言うと“夏乃子”も持っている「深山荘」の面々。騒動を機に不思議な事象に
巻き込まれる“七瀬”を見ているとプロローグで描かれた一面がフラッシュバックします。

「深山荘」に良くないものが棲みついているから祓うと訪れたある人物が物語を決定的に
動かしていき、「生地山神社」という重要スポットの意味を示されると驚かされますし、
物悲しくなるというものです。夕食に込められた様々な想い、ぜひ味わってみてください。

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2019年06月17日

『破滅の刑死者 内閣情報調査室「特務捜査」部門CIRO-S』

吹井賢 先生の「第25回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞」受賞作。国家機密の消失
という一大事に対し捜索に乗り出す女性と手掛かりとなる青年の数奇な生き様を描きます。
(イラスト:カズキヨネ 先生)

https://mwbunko.com/product/321901000100.html


世間には存在しないことになっている部署「CIRO-S」に所属する“珠子”は、事件当時の
様子を探るため現場にいた大学生“トウヤ”に話を聞く。すると彼は親の借金を肩代わり
する友人のため単身、暴力団事務所を訪れ命懸けの賭け麻雀をしていたと言い出し──。

尋常ではないギャンブル狂いな“トウヤ”の無鉄砲な振舞いに振り回されつつ“珠子”が
国家機密「Cファイル」の存在、それを狙う犯罪組織「フォウォレ」の行方を掴んでいく。
その緊張感あふれる展開、一癖も二癖もある人々の振舞い、そして異能に惹き込まれます。

とかく“トウヤ”の言動に目が行きがちなこの物語、実は衝撃の事実を前にした“珠子”
を通じて信条に基づいて生きる、その根源を読み手にも問いかける話でもあったのかも
知れません。それぞれの想いを賭けたが故の結末は必見と言えます。ぜひ、お見逃しなく。

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2019年06月14日

『本山らの文庫公式アンソロジー「本山らのと、先生と」』

ラノベ好きバーチャルYouTuberである 本山らの さんが企画した「本山らの文庫」合同誌。
参加した商業作家10名が、独自の視点で「本山らの」という存在を描いていく短編集です。
(イラスト:前屋進 さん)

https://booth.pm/ja/items/1326392


相生生音 先生、うさぎやすぽん 先生、折口良乃 先生、空伏空人 先生、瘤久保慎司 先生、
紺野天龍先生、佐伯庸介先生、斜線堂有紀先生、周藤蓮先生、時田唯先生。錚々たる作家陣
によりVtuber「本山らの」という存在をどう解釈して物語に落とし込まれるか拝読しました。

「Lのための物語/ハジマリノノベル」のように彼女が物語に登場するものもあれば「僕は
本山らのに恋をする」のように受け手の機微を描くもの、「本山らのと学校図書館(と司書
のぼく)」のように彼女が身近にいるとした話もあり幅広いテーマで楽しめる仕上がりです。

かねてからのラノベ読みの夢、と思っているインフルエンサーの登場、そして活躍ぶりには
常々するばかりです。ですが「好きなことして消えていく」のようにいつかは終わりが来る。
彼女の存在に甘んじることなく、自分もラノベの魅力を伝え続けたいと再認識した次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2019年06月13日

『道化か毒か錬金術 2』

水城正太郎 先生が贈る錬金術アクション。第2巻は皇帝からの要請で宗教紛争にまつわる
悪魔の調査に純正聖教ご推薦の学生をパートナーに加えて“アルト”たちが乗り出します。
(イラスト/Ume 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/843.html


冒頭で見せたスパイ養成学校での“エイヴリー”に関する逸話。気難しいというか融通が
利かない感じ学生である彼が純正聖教から推薦を受けた理由。それを巡ってここまで話が
発展するとは。“アルト”とはまた違う自分勝手に振り回された彼には切なさが募ります。

今回登場する悪魔に対抗すべく「混沌の蝶」と手を結ぶことも選択肢に入れる“アルト”。
そんな彼に“イングリド”が猛抗議するもいつもの手癖の悪さで懐柔されるあたりは良い
相棒ぶりをみせているな、と感じます。“ロサ”も付き合いがよくて見ていて面白いです。

冒頭で皇帝“ジャン”が“アルト”に向けた感情、というか仕掛けに“イングリド”共々
驚かされたものですが、巻末まで読み進めてそのこじらせ具合は想像以上で更にビックリ。
思い通りにさせないために内に外にと活動し続ける“アルト”に同情を禁じ得ない所です。

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2019年06月12日

『葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王』

一ツ屋赤彦 先生の「第24回スニーカー大賞・金賞」受賞作。数多の国が群雄割拠する大陸
で種族間の通訳の仕事を探す少年が豹人族の姫と出会い、王に至るまでの経緯を綴ります。
(イラスト:紅緒 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/budo-tairiku-monogatari/321903000007.html


豹人族の姫“シャルネ”は大国バツの王に嫁ぐことが決まっている身ながら、天真爛漫が
すぎて花嫁修業も身につかず世話役の“キリン”も手を焼くほど。流民団で大陸すべての
言語を喋れる“メル”は、ヒトの王との橋渡し役として彼女の教育係に抜擢されるが──。

“シャルネ”に対してヒトの言葉や習慣を覚えさせるために“メル”が手を打った方法が
思いのほか彼女に効いたようで、ロマンスの花咲く展開が微笑ましい。しかし、それすら
彼を抜擢した小国の王“エデル”の思惑の範囲内、という興味深い流れで話が進みます。

バツの王の人でなしぶりに“シャルネ”が反発したことで窮地に陥る小国を救う術として
“エデル”が選んだ“メル”がどう大国に立ち向かっていくか、これがまた魅せる展開で
読み終えた後も心温まる余韻を残してくれます。ぜひ続きが読みたい、お薦めの作品です。

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2019年06月11日

『14歳とイラストレーター7』

むらさきゆきや先生がイラストレーターのガチな日常を綴るお仕事コメディー。第7巻は
“水織”に誘われて突如Vチューバ―としてデビューする“悠斗”が業界の闇に迫ります。
(イラスト・企画:溝口ケージ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/fourteen/321810000837.html


“愛澄”は本当に男運も、女運も悪いという展開に。かつて“悠斗”が彼女に渡した指輪
について言及されてはいけない人に見られてしまったり、と彼にとっても二次災害っぽい
流れでどうなることやら、と思いましたが斜め上な方向から解決したのでひとまずは安堵。

Vチューバ―界隈は盛況、とのことでラノベ界隈も盛り上がっていきたいものと羨む中で
ネット上でも話題になった事務所との契約問題に言及する話は色々考えさせられるものが。
荒事にせずどう解決するかは見ていただくとして、“水織”の今後の動向が気になる展開。

次なる同人誌は“乃ノ花”と“水織”の合同誌。表紙は両者で持ち寄ってのコンペという
ことで判定する“悠斗”はどう裁定を下すか。その判断根拠も中々のもので要チェック。
作中にあった重要な要素「面白そう」という感情を創作物にどう活かすか注目してみます。

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