2026年10月09日

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。-刻- 15周年記念ムック』

渡航 先生が贈る大人気ラブコメがシリーズ刊行15周年を迎え、全世界で累計1500万部突破
を記念して作られたムック本。初期資料やインタビュー、コラムなど盛り沢山の一冊です。
(イラスト:ぽんかん�G 先生)

【 https://www.shogakukan.co.jp/books/09199100 】
【 https://gagagabunko.jp/special/oregairu/15th/ 】


絵のタッチを意図的に変えたと語る ぽんかん�G 先生の軌跡が辿れるイラストギャラリー、
こんなエピソードもあったな、と振り返りやすいキャラクターガイドや、本編とその後の
動きを要約したブックガイドが15年という歩みを読者としても改めて実感させてくれます。

15周年記念のインタビューも読み応え十分。原作SIDEでは万馬券が当たる奇跡を願う様な
心境や手応えを感じた瞬間、生みの苦しみなどを 星野 編集を交えて語る内容が印象的で。
アニメSIDEでは 及川啓 監督が語る思い入れのある場面なども分かる実に興味深い内容で。

声優さんからのインタビューや作家さんなどからのお祝いコラムからも、本作への思いや
渡航 先生の人柄なども読み取れて楽しく拝読しました。今や輝石や貴石とも言える本作の
原石とも言える初期設定も企画段階から作り込まれていることが分かって流石の一言です。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年10月08日

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。結3』

渡航 先生が贈る大人気ラブコメの、もう一つの物語。第3巻は迫るバレンタインを前に
海浜総合高校との合同イベントなどを通じて揺れ動く“結衣”の繊細な感情を描きます。
(イラスト:ぽんかん�G 先生)

【 https://www.shogakukan.co.jp/books/09453310 】
【 https://gagagabunko.jp/special/oregairu/15th/ 】


“いろは”が“玉縄”と打ち合わせする場に同席する“八幡”が見せる社会人ムーブも
色濃く映える中で決まった「チョコづくり体験イベント」。有志による、という枕詞が
ポイントでチョコを渡したい、もしくは貰いたい学生たちの思惑が見事に交錯する演出。

“八幡”が“結衣”にマラソン大会での礼がしたい、と言葉を選んで提案した話に対し
絶妙な日を選んだ彼女を褒めたい所。当日もイイ雰囲気を醸し出しておきながら発言に
気を遣ってしまう彼に、あと一歩が踏み込めない間違え方も彼女らしくて切なさ炸裂で。

“隼人”が“陽乃”を想う心残り、そして彼を想う“優美子”や“いろは”の駆け引き。
向き合うことのないベクトルが読了後に感じる実に切ない余韻を後押しするかのようで。
周りの顔色を窺いがちな“結衣”が、周りの恋に振り回されないことを祈るばかりです。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年10月07日

『いけにえの君主論』

神代翁 先生の「第32回電撃小説大賞・銀賞」受賞作。人食いの悪竜に捧げられる生贄の
美姫が、美味しく食べられるために世界を見聞する悪竜との旅へ同道する顛末を描きます。
(イラスト:tanu 先生)

【 https://dengekibunko.jp/product/sacrificial_sovereign/322510000731.html 】


何年と続く干ばつで衰退した帝国の王様が、千年の時を生きる竜“ヴェール”から知恵を
授かるべく供物として選んだ亡国の王女“シルビア”。その竜に祝福され、また救われず
滅んだ国の王女として恨み節を放言する“シルビア”に“ヴェール”は一計を案じる──。

ならず者かと思わせる“シルビア”の言動は“ヴェール”でなくとも唖然とする訳ですが
そんな彼女が竜との旅を通じて世界を知り、亡国の王女となってしまった背景を理解して
民の上に立つ者としての使命を全うするために尽力する気概に魅せられる展開が興味深い。

畏み賢き竜かと思えばどこか抜け作な“ヴェール”がなぜ“シルビア”を連れ出したのか。
その背景に悠久の時を生き、この世界を見届ける者としての苦悩が垣間見えるのも独特で。
タイトルに至る流れも旅を通じて理解し合った者たちが辿る結末を象徴していて見事です。

posted by 秋野ソラ at 00:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年10月06日

『だって、私はフリーダム! 魔工士フェイ、古代文明に挑みます 3』

吉川英朗 先生の漫画連載も始まった 羊太郎 先生が贈る考古学ロマン×バトルアクション。
第3巻はゼルディア聖国の聖女候補をめぐる陰謀劇に“フェイ”たちが首を突っ込みます。
(イラスト:安曇アキタケ 先生)

【 https://gcnovels.jp/book/2185 】
【 https://comicride.jp/series/17e4c7194d09f 】


“エリーシア”が“フェイ”に劣らぬヤバい思想を持つ聖女候補で、今回お調子者ぶりを
全開させた“ウル”すらドン引きしているのがまず面白い。その彼女から語られる聖国の
腐敗っぷりがまた酷いので、ヤバくても改革に向けて突き進む熱量は応援せざるを得ない。

“ドラクルア”枢機卿が送り込んできた聖女候補“ルシール”と勇者候補“ロキサス”に
“フェイ”が啖呵を切る姿がまた格好良い。巻き込まれる“シャルロッテ”や“スイ”の
気苦労を思うと憐憫の情も湧くものですけど。成長に繋がっているのも皮肉なものですが。

“フェイ”が“エリーシア”の勇者として“ロキサス”と繰り広げる激闘は実に見もので。
彼の力を見極める見識と、思いがけない支援に助けられて引き寄せる結末は今回も熱くて
遺跡都市アーカムに戻れる日は来るのか、風雲急を告げる動向の続きに注目しておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年10月05日

『探偵小石は戻らない』

2026年「本屋大賞」にノミネートされるなど注目を集める 森バジル 先生の本格ミステリ。
“小石”が犯人と糾弾される姿を見て“蓮杖”は何を想うのか、その過程を振り返ります。
(イラスト:はむメロン 先生)

【 https://www.shogakukan.co.jp/books/09386805 】


“蓮杖”の想いを知ってもなお、いつも通りに接する“小石”の様子。無力感に苛まれる
彼の気持ちがそれこそ自惚れだと、彼女が恋愛感情を避け続けてきた本質を知ったつもり
でいたと今回の事件を通じて自嘲する姿が切なくて。矢印の刺さる先は変わらないだけに。

“蓮杖”がいつも通りを望まなくても、維持を選んだ“小石”の機微。知らなかった彼の
一面を別の誰かに見せつけられて、それでも彼のことを更に知りたいと思えた今の自分を
肯定する今回の事件での顛末がラブコメにも見えて。矢印が刺さり続けることを願う姿に。

「戻らない」と言いながらも過去を振り返ることはある演出の絶妙な差配に惹きこまれて。
「戻らない」という言葉に“小石”の迂遠な行為を省みる様な不退転の決意が感じられて。
“小石”が「転ばぬ先の松葉杖」として選んだ言葉を信じ抜く“蓮杖”は実に天晴れです。

posted by 秋野ソラ at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル